夫が亡くなってから3か月。
これからのことを考えなければならない。
今住んでいるところは賃貸で、しばらくはいられるけれど、ずっとはいられない。
そして、今の家は夫との思い出が多すぎて一人で住み続けるのは辛い。
一昨日は不燃物の日だったので、子供が小さいころからの成長記録がてら撮っていた大量のVHSビデオを捨てた。
ゴミ袋に入れながら、泣けて泣けて仕方がなかった。
もう二度と…
もう二度とこの幸せな家庭は戻ってこない。
もう二度と彼が家族の動画に再び登場することはない。
彼が闘病中に使っていた羽根布団もゴミ袋に入れた。
もう二度と・・・今度の冬に彼がこれを使うことなどないから…
彼が遺していた大量のポイントカードや診察券や期限切れのクレジットカードも鋏を入れて捨てた。なんでこんなものまで取っていたんだろう…と半分呆れながら、それでも悲しくて、彼のことを思い出して作業をしながらまた涙した。
そうやって彼との思い出を一つずつ処分していかなければならない。
子供たちが「お母さん、たとえビデオは捨てて目の前からなくなっても、お父さんのことはずっとずっと私たちの心に残っているから」といって慰めてくれた。
私は昔から冗談で「私がもし一人残ったら、一人暮らしするから心配しないで」と子供たちにいっていたけれど、それは、子供達の未来を私によって縛り付けてしまわないようにと自分に言い聞かせてきたからだ。(ちなみに夫は「俺が一人残ったら、4人の子供たちの誰かと同居したい」といっていた。)
でも夫が亡くなって以来、へにょへにょの私を心配した子供たちが話し合って「お母さんを、あのままあの家に一人に置いておくわけにはいかない」とずいぶん前に結論付けていたらしく…一番転居の可能性が少ない長女夫妻と同居の話が進んでいる。
そして、そのために他の子供たちが「俺たちにお金を残さないでいいから、3人(長女夫婦と私)で快適な生活をするために、遠慮せずにお金を使いきってほしい」とそれぞれに私に言ってきた。
子供たちの優しさに涙が出た。
とりあえず、来月からは長女たちが新しい家に行き、私は身の回りのものだけ持ってそちらに合流し、夏中に今の家の片づけに通うことになりそうだ。
この家を出ていくことは辛い。
でも、この家で夫と子育てができて本当によかった。
子供が大きくなるまで元気でいてくれてよかった。
この家で刻まれてきた家族の幸せな時間は、遺された私たち家族にとって宝物だ。