倉田真由美さんの旦那さんも膵臓がんだった。

 

夫の膵臓がんが分かった時に、長男が「くらたまの旦那さんも同じがんで、余命宣告を受けても抗がん剤もやらないで生き延びているみたいだよ」って言っていたけれど、夫より一足先に亡くなった。

 

夫は病名が分かってから2か月で生涯を閉じたけれど、くらたまさんの旦那様は余命宣告を何度も受けて、それよりも長く生きることができた。

でも最後の余命宣告をされたとき「これでようやく死ぬことができる」と言ったそうだ。

後で知ったんだけど、癌というのは、大体余命宣告されても日常生活ができなくなるのは最後の2か月ぐらいで(治療をして、その薬の副作用で具合が悪かったりという時期はある)それまでは案外(痛みなどのコントロールをしながら)割と普通の生活ができると、緩和ケアのお医者様が書いていた。

 

ただ多くの人は、余命宣告をされた後落ち込んでしまったり事実を受け止めるのに時間がかかり、その貴重な「普通の生活ができる時間」を過ごしてしまい、思い出作りとか旅に行くとかできないまま、最後の二カ月を迎えてしまうそうだ。

 

この最後の2か月になると多くの方が急激に一気に具合が悪くなるんだそう。

そして、いったんその時期(終末期)になると大体の場合は、再び普通の日常を取り戻すことがもうできなくなってしまうらしい。

 

そう考えると、夫は余命宣告されてから2か月で亡くなってしまったけれど、癌とは知らずに思う存分日常生活を送り、具合が悪くなる最後の2か月に癌が発覚して一気に終末期を迎えてしまったような気がする。

 

私にとってはもっともっと生きていて欲しかったけれど、すい臓がん末期といわれた時点で「おそらくここまでなるには二年くらいかかっていたでしょう」と医者に言われた。

膵臓がんは予後がとても悪い癌で再発率も高く、しかもわかりにくい癌なので、発見されてもごく初期でないとなかなか良くはならないらしい。

 

癌とは知らず、一年半前にはイグアスの滝ではしゃぎ、数か月前には鍾乳洞をガンガン歩き、クロアチアやスロベニアをドライブをして回り、城壁の上で写真を撮りまくり、たくさんおしゃべりし、喧嘩もしたけどたくさん笑って食べて・・・

癌だとわかっていたら、あの貴重な時間は過ごせなかったかもしれない。

 

一緒に桜は見られなかったのは悲しいけれど、彼はたくさんの思い出を遺してくれたんだな。