入院中の夫の声を電話で聴くと、涙が出る。
二人で辛いことを分かち合って、涙が出る。
癌がすべて消えなくてもいいから、共存してゆっくりとでも二人で生きていきたいと思うと、涙が出る。
これまでも困ったことは何でも相談して二人で決めてきたから、たった一人で決断しなければならないと思うと涙が出る。
配偶者を先に見送るってこういうことなのか・・・
彼は頼りがいのある人だったから、元気な人だったから、私はすっかり油断していた。
こんなことが人生に訪れるなんて、何も考えてもいなくて、心の準備も出来ていなくてうろたえてしまう。経済的なことや住む家のこと、いろいろなことを考えなくちゃいけないんだけど、心はそこまで行かないな。
事務的なことは子供たちが担ってやってくれるけれど、心のこの辛さは当たり前だけれど誰にも肩代わりができない。私がただ黙って受け止めていくしかないのだ。
一番つらいのは夫だと思うけれど、やっぱり残されるっていうのは辛いなぁ。