旅行記の途中ですが、我が家はこの一週間嵐に巻き込まれたような日々を過ごしていました。

 

せっかく楽しい旅行記を綴っている最中にこんなことを書くのはどうしようか迷っていたのですが…

自分の為の記録として書き留めておきます。

 

昨年11月ぐらいから、あの食いしん坊のじぃじが食欲不振になり、胃の痛みなどもあり、食べる量が目に見えて減りました。

美味しそうなものを見てもあまり関心を示さなくなり、いろいろなストレスもあり、忙しすぎることもあり、睡眠も浅いようで・・・

バーンアウトじゃないかと心配していました。

 

12月の最後のほうで流石にこれは自分自身でもまずいと思ったのか胃腸科にかかり、おそらくストレスと過労でしょうということで薬も出してもらい、お正月はみんなと一緒にはしゃぐけれど、時々しんどそうにしていました。

 

彼には、私からも子どもたちからも、これまで何度も詳しい検査をしてほしいと頼んだけれど「俺は大丈夫だから」と言い続け、とうとう心配した子供たちの代表で長男が我が家に乗り込んできて、じぃじを説得してPET・CT検査をようやく予約することができました。

 

でも受診日前にかなり体調が悪いというので、自ら紹介状を書いてもらい、近くの大きめの病院に行ってエコー検査とCT検査にバイクに乗っていったところ…

 

腫瘍が見つかりました。

それもあちらこちらに転移しているという・・・😿

それが先週の土曜日。

 

その日、彼からラインでそのことを知らされた私は想定外だったので、ショックで膝から崩れ落ちました。

そして、家に帰ってきた彼と二人で抱き合って泣きました。

「俺が一生守るって約束したのに、ごめんなー」といって彼も泣きました。

 

診断が出てからこの一週間、彼の仕事上とか色々なところに連絡して手配し、いろいろな人からの連絡が殺到するのに対応し、子どもたちも毎日我が家に顔を見せてくれて一緒に泣いたり励ましたり慰めてくれました。

 

私達はクリスチャンですので、生きている以上いつか死と向き合う日が来ることはわかっていたし、それを受け止める覚悟もしていたつもりだったけれど、それでもこの一週間はなかなかしんどいものでした。

 

彼は抗がん剤の副作用で体力が奪われることを恐れ、やっぱりペインコントロールをして家族で最後まで泣いたり笑ったりしながら過ごしたい、とホスピスの選択肢を考えていましたし、私達も彼自身がそうしたいというのだから受け入れようということになりました。

 

彼は「体力があるうちに」と自分の葬儀のプログラムまで考えて、私にも「喪主はお前になるから、あいさつをしてほしい」といわれました。

心配して訪ねて来てくれた姉が「じぃじは昔からいつも自分で仕切らないと気が済まないタイプだったけど、自分のお葬儀のプロデュースまで(!)」と驚かれたぐらいです。

 

私は深夜目が覚めると、彼から頼まれたこれからのことや葬儀でのあいさつのことなどぐるぐる考え始めると眠れなくなり、とうとうこれは一度アウトプットしておかないとと思って喪主挨拶の原稿を書き始めました。

 

二人でいた時にふと「ごめんな、せっかくSFCカードとったのにね」と謝られました。

もう二人で海外に行くこともないだろうし、いろいろなサイズのスーツケースは子供たちにあげて処分しよう…などとも話しました。

 

長男は割とポジティブな子なので「じぃじ、気持ちはわかるけど、そうやって自分でストーリー作って、毎日毎日自分の死んだときのことや死んだ後のことばかり聞かされる母さんの気持ちも、少しは考えてあげてよ。準備が必要なこともあるけれど、それはそれ。後は俺たちがやるから。そんなことばかりを考えて心配して時間を使うよりも、これまでできた良かったこととか、お互いどんなに大事に思っているか話そうよ」といってくれました。

 

昨日、じぃじは心配してきてくれた長女と仕事を休んだ次男と私に付き添われて、画像診断の結果を聞きに行ったところ「いや、お葬儀の話はまだ早いですよ。紹介状を書くから癌研に行って方策を相談してください」と主治医に言われ、「えっ?」とびっくりし、ホスピスを予約する気満々だった私たちの心は置き去りに・・・

治療の方策を探ることになりました。

 

なんだか悲しい話なのに、なんとなくおかしみもあり・・・

その日の朝、次女のところに子供が生まれました。

慰められました。

 

こうなってみて改めて思ったのは、二人が健康だったから旅も行けたし共通の思い出も沢山出来て、マグネットを見ながら「一緒にあそこへ行ったね。ここであんなことがあったね」といえる幸せ。

経験や学びの為にお金を使うという方針は、私たち夫婦にとっては本当によかったということです。今でもその旅の時の話をして、いい時間を過ごしています。

 

癌研の予約もとれました。

そのようなわけで、私たち家族の闘病生活が始まります。

でも、だからこそ楽しかった思い出をここに綴っていこうと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

※なお、実生活でたくさんの方たちからすでに「これがいい」「あれがいい」「あの病院がいい」「こっちの治療がいい」という連絡が殺到して疲弊しているので、すみませんが、こちらのコメントやメッセージでそのようなことにはコメントお返しできませんのでご了承ください。