冬季積雪ツーリングシリーズ
津です。

北海道内の道路最高標である三国峠を鎮圧し、2020を迎える年越しツーリングである。
隊員は津、TTA、天狗、武士、ライオン、みきぷるーんの6人。
一般人であれば1mも進むこともできず凍りついて春まで雪に埋まるであろう。

ルートは12月30日帯広空港集合、1月3日旭川解散。
途中メインの三国峠を筆頭に糠平湖、層雲峡などを通るルートだ。




初日は天候もよく、道に積雪はなく走りやすい。

途中メカトラがいくつかあったが特別な訓練を受けた我々のメンタルは折れない。

汗だくになりソフトカツゲン、ガラナ、焼きそば弁当などの北海道グルメを堪能する。

道の駅や公園で野宿をする。
作った料理はみるみる冷めていきコップの酒は凍る。
気温は低いときで-15℃ほどまで下がった。

各々念入りに準備し装備を整えてきたが、北の大地では歯が立たず震えていた。
何人か指先が凍傷になり、僕も耳が凍傷になった。

元来自転車ツーリングとは脳内パラメータの「文明」を減らしサバイブ能力に寄せていくものであることに加え、典型的な低体温症の症状である判断力低下がみられた。
ライオンは補給として初日に弁当を買い、-10℃の環境でカチコチに凍ったそれを何度も食べようと試みていた。

武士は凍ったペットボトルのお茶を湯煎したり寝袋に入れたりして頑張って溶かし、走っているうちにまた凍り頑張って溶かす作業を繰り返していた。

道が乾いていたり積雪があればまだ走りやすいがアイスバーンではタイヤは空転してしまう。

山道を走っていると遠くに三国峠直前の橋が見えた。
山間では風が強く、細かい雪が強風に乗って襲ってくる。

標高が上がるにつれ気温は下がるが、我々の血は沸騰している。
ついに全員で三国峠を鎮圧し、凍った補給を食べて、喜びを分かち合った。




三国峠ですでに日暮れが近づいておりそこから恐怖の下りにカチこんだ。
当初の計画では三国峠でテントを張り年越しをする予定だったが過酷すぎると分かり少し行程を変更していたのだ。
アイスバーンハングリーナイトダウンヒル。
数え役満である。

層雲峡までたどり着き、風呂を求めて隊列の勢い止まらぬまま豪華なホテルに突入し、服を脱ぎ感覚が無くなった手足の指が付いていることに安堵した。

旭川に着く日は一番吹雪いており3人班に分けて移動した。下り、平地を漕ぎ、旅の終わりを予感しながら下界の寒さをぬるく感じた。
北国の雄セイコーマートには幾度となく助けられた。


旭川にたどり着き、6年前夏合宿で集合した駅で旅は完了したのである。
勢い止まらぬまま風呂に奇襲をかけて風のごとき早さで風呂を去る。
市内の焼肉屋で打ち上げをして部隊は解散した。
こうして僕らはまたひとつ、思い出すとひたすら寒かっただけの記憶を共有した。