1月2日6:20、アラームが鳴る10分前に空腹で目が覚めた。
寒さで、寝ている間もかなりのカロリーを消費していたのだろう、とか思いながらテントの外に出ると、人数分のホットドリンクを抱えた武士が立っている。起床後近くのコンビニで買ってきてくれたらしい。だれよりも早く武士が起床しているのが当たり前となっていた。
あえて気温を調べることもしなかったが、テントだけでなく、外においてある靴、自転車、サイドバックとあらゆるものに真っ白の霜が付着している。霜をまとった針葉樹が、朝日に照らされてきれいだった。
近くのセブンイレブンで朝食、荷物のパッキング、朝日で日光浴とゆっくり準備を済ませ、
今回の旅のゴール、釧路に向かう。
進んでいくにつれ雲が多くなってきた。日の光が少なくなると、一気にモノトーンな世界に変化していく。
左手は黒い木々が立ち並ぶ低山、右手には真っ白な平地、目の前に雪のない黒い路面が続き、次第に丘へ入っていった。
静かな丘を越え下ると一気に広い平地が広がった。
釧路湿原の端に出たようだ。
夏に来たときは、自分の身長を優に超える植生で視界を遮られ感じることができなかったが、この時期であれば、ここが平らで広大な湿原であることが見て取れた。
さらに国道を進み、塘路湖脇の林道へ左折した。
実は昨日の屈斜路湖で、オフロードバイクで冬季北海道ツーリングを何度も行っているという方に、凍結した塘路湖の上を渡ったという話を聞いていた。
完全凍結はまだ先だろうと、自分はその時正直話を真に受けていなかったため、
実際に目の前に広がる、雪を被った氷の大地を見たときはとても驚いた。
林道から湖面に降りれそうなところを見つけ、水際(この場合は氷際)まで近づく。
まずは津が片足を置く。続いてもう片足。さらに荷物を載せた自転車も。
いける。
津に続いて、皆湖面に降り立った。
自転車にまたがり、漕ぎ出してみると、雪を被っているものの、氷がしっかりしていることがタイヤ越しにつたわってくる。目指すは対岸のキャンプ場。距離にして800Mほどだろうか。
先方の氷の状態がわからないので緊張感がありながら、湖上を自転車で横断しているという事実に興奮を隠せなかった。
1/3ほど進むと、下から段差のような突き上げを感じた。
止まってみると、氷の上の雪面に左右に長く伸びる切れ目のようなものが見える。
氷同士が成長してぶつかった跡なのか、単純に亀裂が入っているのか、知識が無く全くわからない。この段差がさらに激しくなると、御神渡りが出現するのかもしれないなどと想像してみるが、後日御神渡りの仕組みを調べると、氷の膨張と収縮の繰り返しでできるとのことであった。この段差が、前兆なのかどうなのかはわからなかった。
さらに1/3ほど進んだところで止まって写真撮影をしていると、
ボコン、という何とも文章では形容しがたい、低音で氷の中を響き渡るような不気味な音がした。この音もなぜ出ているのか全く分からない。
音の発生源は離れた場所で、氷の中で反響しここまで音が届いている、といった感じで、周囲の静けさ故に聞こえるのだろう。
危なげなく反対岸まで渡ると自転車を岸の上にあげ、しばらくの間、自然のスケートリンクと戯れた。
楽しみつくした塘路湖を発ち、塘路湖駅へ。
駅前の自販機が懐かしい。
このツーリング唯一の集合写真を撮影し、釧路へ向かった。
両側に葉を落とした広葉樹が立ち並ぶ静かな丘を二つほど越えると、
次第に住宅や公共施設が増えてきた。国道脇の公園では、地元の方がアイスホッケーの練習をしている。
セイコーマートで昼食をとり、交通量が一気に増えた道を進んでいくと、
釧路市街の宿に到着した。
畳の大部屋に入り、暖房をつけ、毎度のことながら屋根と壁のある空間のありがたみを噛みしめるのであった。
その後自転車を宿に置き、市内のジンギスカン屋で大いに食べ大いに飲み、宿に帰ると泥のように眠りについた。
翌朝、さらにツーリングする組を含めそれぞれの帰路に就き、4日間約250kmにわたる、年越しツーリングは終了した。
(ドラゴンスネーク)












