単身赴任者

管理物件の部屋が空くことが1か月前から知らされていましたが、いよいよ引越しの日が決まり、当日の明渡しに立ち会うことになりました。

転勤で来ていた単身赴任の居住者が故郷に栄転で帰るのですから、喜んでお送りするしかありません。

後任者が東京の人なので借上げ社宅の必要がないけれども、もしも地方の人だったら、とても住み心地がよかったので、ぜひ住まわせたかった、と言ってくれました。

すでに更新も2回していますから、足かけ6年住んでくれたことになります。


がらんとした部屋に燃えるゴミ袋が置いてあり、近くのホテルに泊まるので、翌日のゴミ出しをしてから鍵を返したい、という申出がありました。

燃えるゴミだけならこちらで出します、と言ったのですが、すでにその準備をしている、ということでした。

平和島公園の弓道場に通っている、とご本人から前に聞いていたので、もしかしたら、お仲間とのお別れ会でもあったのかもしれません。

それにしても、最後までご自分の身のまわりをきちんとなさるので、感心しました。


契約書のコピーで説明したのですが、特約でクリーニング費用と故意・過失での傷や汚れなどは、借主負担となっています。

本来は、会社の総務などが立ち会って、原状回復費用の分担について話すのですが、ご本人が会社から一任されているそうなのです。

キッチンの床やクロスの油汚れや洋室のクロスの傷などを互いに確認したのですが、立ち会っている業者から工事の見積り額が出るまでは、具体的に金額の確定ができません。

それでも、だいたいの額を知りたいということなので、独断で、経験上賃料ぐらいの金額なので、2ヶ月分預かっている敷金の半分は返還できるだろう、と答えました。

もう少しいただけるとも思ったのですが、オーナーさんから、礼儀正しい方だから、できるだけ敷金を返還するように、と前もって言われていたからです。

どうも、こういう交渉事は、ご本人よりも会社の総務担当者の方がやり易いように感じます。