飛躍的な進歩を遂げているDNAの研究
カギを握っているのは、
これまで研究者たちの間で
「ゴミ」
とさえ呼ばれてきた、
DNAの98%を占める未知の領域。
では、DNAの未知の領域とは、
いったい何でしょうか?
これまで「遺伝子」※と呼ばれ、
詳しい解析が行われてきたのは、
全DNAの2%の部分に過ぎませんでした。
※遺伝子はタンパク質の設計図。
全DNAは、
A(アデニン)、G(グアニン)、
C(シトシン)、T(チミン)
といった塩基とよばれる物質が
およそ30億並んだものです。
その30億の中でも「遺伝子」は、
体にとって必要なものを作り出す
「設計図」。
そして、「遺伝子」ではない部分、
DNAの残りの98%に、
「私たちの姿形、性格、才能など、
様々な個性を決める重要な情報」
が、潜んでいました。
さらに、98%のDNAの中には、
「病気から体を守るDNA」
も見つかっています。
2019年、発表
「タバコから肺を守る力を高めるDNA」
肺の炎症を抑える働きがあり、
肺の病気のリスクを、
最大80%も下げています。
ヘビースモーカーでも
肺がんにならない人、
タバコの煙で肺の組織が溶ける
肺気腫にならない人がいます。
ほかにも、がんを防ぐ力を高めるDNAや、
アルツハイマー病を抑え込むDNA、
そして、アレルギーの発症に関連するDNAなど、
健康や長寿の鍵を握るようなDNAが、
98%の部分に潜んでいたのです。
世の中には、「○○が健康によい」
という情報があふれています。
チョコレートや緑茶、ヨーグルト、納豆……
枚挙にいとまがありません。
ところが、98%のDNA次第で、
得られる効果に差が出る可能性が。
たとえば、世界で最も愛飲されている
飲み物の一つ、コーヒー。
コーヒーの健康への影響については、
多くの研究が行われてきましたが、
その結果は必ずしも一貫したものではありません。
コーヒーに含まれる「抗酸化物質」には、
血管を若返らせ、心臓を健康に保つ働きがあります。
一方、コーヒーのカフェインには、
血管を収縮させ、血圧を上げる
可能性があると考えられています。
(カフェインには、健康に良い働きもあります。)
差は、98%の部分に見つかった
「カフェインの分解能力を決めるDNA」。
カフェインをすばやく分解できる
DNAを持っている人では、
コーヒーを1日1杯飲むことで、
心筋梗塞のリスクが減少。
2~3杯飲む人では、
さらにリスクが減少。
逆に、カフェインの分解の遅いDNAを持つ人では、
コーヒーを飲むことで、
心臓に負担がかかってしまうことが。
このように、
一口に「○○が健康によい」といっても、
DNAの98%が生み出す体質は、
人によって千差万別。
ある人にとってはすごく体によいことが、
ある人には真逆に働く。
薬の効きやすい人とそうでない人
これも、98%のDNAがもたらす
個人差でした。
【引用文献】
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