加糖飲料とフルーツジュースは

男子の2型糖尿病リスクを高める

 

  

幼少期から10代前半にかけて、

加糖飲料や果汁100%ジュースを多く

摂取していた男子は、

 

17〜18歳に成長した時点で

インスリン抵抗性が亢進し、

 

2型糖尿病の発症リスクが高い

状態にあることが報告された。

 

アメリカ ハーバード大学医学大学院発

 

インスリン抵抗性は、

筋肉や肝臓などの細胞が、

血液からブドウ糖を取り込みにくく

なっていることを意味し、

 

通常の必要量に比べて

たくさんのインスリンを出さないと

細胞の中にブドウ糖を取り込ませる

ことができないので、

 

インスリンを出す細胞が

早く燃え尽きてしまう。

 

なので、

インスリン抵抗性の高い状態は

2型糖尿病の発症リスクが高い。


 

 

【方法】

1999年からアメリカ 

マサチューセッツ州東部

で実施されている、

 

母親とその子どもを対象とする

長期コホート研究(Project Viva)

のデータを用いて行われた。

 

研究期間中に出産した妊婦は2,128人で、

 

子どもが幼児期(年齢中央値3.1歳)、

小児期(同7.6歳)、

および思春期前期(同12.9歳)

 

という三つの時点で、

母親に対して食物摂取頻度調査票を用いた

子どもの食習慣の調査を実施。

 

この調査に回答し、

かつ糖尿病の家族歴のない

子どもは972人で、

 

そのうち思春期後期

(年齢中央値17.4歳)

に血液検査を受けていた455人を解析。

(女子240人)


食物摂取頻度調査票から、

加糖飲料、果汁100%ジュース、

 

および、果物の摂取量が把握され、

(ジュースではなく果実そのもの)

 

それぞれ3回の調査の平均値を算出。

 

 

それらの値と思春期後期の空腹時血糖値、

HbA1c、インスリン抵抗性(HOMA-IR)

との関連を検討。

 

この関連の解析に際しては、

子どもの年齢、BMI、生活習慣、

食事の質、母親のBMI、

社会経済的地位などの影響を調整。

 



【結果】
男子の場合、

幼少期から思春期前期に

 

加糖飲料を毎日約237mL

摂取していた場合に、

思春期後期のインスリン抵抗性が

34%高かった。

 

 

 

 

研究では、

幼少期から思春期前期にかけて

加糖飲料を毎日約237mL

摂取していた男子は、

 

思春期後期の空腹時血糖値が

5.6mg/dL高値であり、

HbA1cは0.12%高かった。

 

一方、女子では

顕著なリスク上昇は

見られなかった。


幼少期から思春期前期にかけて

果汁100%ジュース

1日に1回摂取することは、

 

男子では思春期後期のHbA1cが

0.07%高いことと関連があった。

 

女子では0.02%

というわずかな上昇にとどまっていた。

 

 

なお、果物の摂取量に関しては、

男子・女子ともに、

2型糖尿病リスクに

明らかな影響を及ぼしていなかった。

 

 

以上
米国心臓協会

生活習慣科学セッションで発表された。

(EPI-Lifestyle 2024、3月18~21日、シカゴ)