日本人の遺伝的起源、

全ゲノム解析で明らかに

 

理化学研究所、東京大学、金沢大学合同

 

 

DNAは、4種類の物質が

長く連なってできています。

 

A、T、G、Cで表した「文字列」で

文章を作っています。

 

この文字列のことを

「塩基配列」

といいます。

 

DNAの文字列で表された

遺伝情報全てを

「ゲノム」

と言います。

 

ゲノムの中でも

「タンパク質」の設計図の部分を

「遺伝子」といいます。

 

 

ヒトのゲノムの文字列(塩基)は

32億文字になります。

 

 

ヒトゲノムには約23,000個の

遺伝子が含まれます。

 

つまり約23,000個のタンパク質を

作り出します。

 

 

からだの中ではタンパク質が

いろいろな働きをしています。

 

 

タンパク質は細胞を作る材料になります。

 

また、細胞の中で直接働いているのも、

遺伝子ではなくタンパク質が中心です。

 

 

 

 

遺伝子を設計図とすると、

タンパク質はその設計図によって作られる

「材料」や「道具」ということができます。

 

 

正しい時期に正しい場所で、

正しいタンパク質が作られることで、

私たちの体は成り立っています。

 

 

そのため、もし遺伝子に変化が起こると、

正しいタンパク質が作れず、

からだの働きを大きく損ねたり、

病気の原因になったりすることがあります。

 

 

 

 

研究グループは

 

日本人3256人分の全ゲノムを解析し、

日本人の遺伝的起源と特徴の一部を解明。

 

全国7地域の医療機関で収集しています。

(北海道、東北、関東、中部、関西、九州、沖縄)

 

 

日本人集団の遺伝的構造を調べた結果、

沖縄と本土という明確な二重構造を確認。

 

 

さらに、日本人の祖先が

東北(K2)、関西(K3)、沖縄(K1)

の三つの地域からの

混合で説明できることが明らかに。

 

 

 

縄文人、東アジア(主に漢民族、)、

北東アジア遺伝データの

現代および古代の遺伝データを

今回のデータと共に分析。

 

 

縄文の祖先比率については、

沖縄が最も高い比率(28.5%)を持ち、

次いで東北(18.9%)である一方、

関西が最も低い(13.4%)と推定。

 

関西地方は漢民族と遺伝的親和性が高い

ことが明らかになりました。

 

 

 

さらに、共同研究グループは

中国、韓国、日本から報告された

古代人ゲノムデータを使って、

 

東北と関西の間の

遺伝的親和性の違いを評価。

 

 

 

結果は、関西人と黄河またはその上流地域の

中新石器時代および後新石器時代

古代中国集団との間に

 

顕著に密接な関係があることが。

 

 

 

 

対照的に、東北地方の個体は、

縄文人との遺伝的親和性が顕著に高く、

 

高い縄文比率を持つ

沖縄の宮古島の古代日本人ゲノムと

韓国三国時代(4~5世紀)

新羅・百済・任那の古代韓国人とも

高い遺伝的親和性を持つことが示されました。

 

 

【引用文献】