運転パフォーマンスに対する

睡眠薬の残存効果の影響

~ネットワークメタ解析

 

 

睡眠薬には残存効果があり、

運転中の安全性に

悪影響を及ぼす可能性が。

 

イタリア・フェデリコ2世ナポリ大学発

 

 

方法
2023年5月28日までに公表された、

不眠症患者と健康対照者を比較した

睡眠薬使用および運転に関する

ランダム化比較試験(RCT)を、

医学雑誌検索エンジンを使って検索。

 

 

結果

特定された4,805件のうち、

22件を解析に組み入れた。


単回服用では、

ほとんどの薬剤は運転パフォーマンスへの影響は

プラセボ(偽薬、薬剤効果はない)と同様であり、

①最初の朝の運転機能障害率と

②走行中の左右のブレの大きさ

には差はなかった。


 

ラメルテオン(ロゼレム)8mg、

ダリドレキサント(日本で未承認) 100mg、

就寝時のゾルピデム(マイスリー)10mg、

深夜のゾルピデム(マイスリー)10mgおよび20mg、

ミルタザピン(レメロン,リフレックス)15~30mg、

トリアゾラム(エチゾラム)0.5mgは

 

に関しては①②とも

著しく機能低下が見られた。


レンボレキサント(デエビゴ)2.5~5mg、

スボレキサント(ベルソムラ)15~20mg、

深夜のゾルピデム(マイスリー)3.5mgは、

 

ゾピクロン(アモバン)よりも機能障害が少なかった。


フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)を除き、

反復投与(最大フォローアップ期間:10日間)により、

残存効果は少なくなっていた。

 

ただし、15日以上の追跡調査は行われてなかった。

 

結語

睡眠薬には残存効果があり、

運転中の安全性に

悪影響を及ぼす可能性がある


【引用文献】