ペニスも休んでばかりだと錆び付くらしい

 

あくまでもマウスの話ですが、

ヒトでも当てはまります。

 

勃起すればするほど

勃起を助ける線維芽細胞を増やし、

勃起機能の維持に貢献するようです1)

 

 

マウスでもヒトでも

線維芽細胞はペニスにおいて

最も多い細胞ですが2)、

 

線維芽細胞は均質でおとなしい細胞

とみなされていて、

これまであまり研究されてきませんでした。

 

 

しかし実は動きがあって

個性豊かなことがわかってきており、

 

今回Science誌に掲載された新たな研究では、

これまでないがしろにされてきた

線維芽細胞が担う

 

これまで知られていなかった

勃起での役割が

マウス実験で示されました。

 

 

スウェーデンのカロリンスカ研究所が

発見したその役割とは、

 

ペニスの勃起

の原動力である

血流の調節作用です。

 

 

研究によると、

 

海綿体の線維芽細胞は

血管収縮に携わる神経伝達物質

ノルアドレナリン

をせっせと回収することで

 

ペニスの血管を

収縮ではなく拡張へと誘い、

ペニスの勃起を支えます。

 

 

それゆえ線維芽細胞の数が多い

ペニスほど

勃起に必要な血管拡張に長け、

 

勃起すればするほど

線維芽細胞は増えるとわかりました。

 

 

一方、老化は

線維芽細胞を減らして

ペニスの血流を滞らせます。

 

 

マウスやヒトを含む

どの哺乳類の勃起も

形態や細胞の配置など

さまざまな点でよく似ています。

 

ただし、ヒトのペニスは

ほかの哺乳類と違って

骨がありません。

 

 

その特徴を考慮すると

血流調節は

ヒトの勃起には

おそらくなおさら重要かもしれません2)

 

 

 

老化マウスのペニスの線維芽細胞は少なく、

血流低下を示しました。

 

 

ヒトのペニスが

老化で勃起しにくくなることは

線維芽細胞の減少が

原因の一つだと考えられます。

 

 

スポーツジムに定期的に通って

筋肉を鍛えるのと同じように、

 

性生活など定期的な勃起は

線維芽細胞を増やして

勃起不能を防ぐ効果がありそうです。

 

【引用文献】

1)海綿体線維芽細胞は陰茎の勃起を仲介します(仮邦題)

Corpora cavernosa fibroblasts mediate penile erection.

 

2)陰茎の線維芽細胞は勃起機能にとってこれまで考えられていたよりも重要です(仮邦題)

Fibroblasts in the penis are more important for erectile function than previously thought.

 

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過去に線維芽細胞について

書いた記事も参考にされてください。