短時間睡眠は
女性のインスリン感受性を低下させる
女性の短時間睡眠は、
インスリン感受性の低下につながる。
睡眠時間が90分短い状態が6週間続くと、
空腹時インスリン値や
インスリン抵抗性(HOMA-IR)が有意に上昇。
アメリカ、コロンビア大学アービング医療センター発
睡眠不足が糖代謝に悪影響を及ぼす
とする研究結果が複数報告されています。
睡眠不足による悪影響は
男性よりも女性でより強く現れるとする報告も。
そこで研究グループは、
女性の睡眠不足が
糖代謝に及ぼす影響
に焦点を当てて研究を行いました。
【方法】
研究参加者は、
基本1日7~9時間の睡眠を取っている
心血管代謝疾患のない20~75歳の女性38人で、
うち11人は閉経後女性。
研究デザインは無作為化クロスオーバー法といって、
短時間睡眠(sleep restriction;SR)条件と
十分な睡眠(adequate sleep;AS)条件
をそれぞれ6週間継続。
短時間睡眠SR条件では、
リアルワールドで起こりやすい
1.5時間の睡眠不足を再現するため、
就床時刻を1.5時間遅らせてもらっています。
実際の睡眠時間は
ウェアラブルデバイスでモニタリングし、
SR条件では睡眠時間が
1.34±0.04時間短縮し、
平均6.2時間
だったことを確認しています。
【結果】
年齢など微調節を行ない
条件を整え解析しています。
短時間睡眠SR条件では
十分な睡眠AS条件よりも
空腹時インスリン値や
インスリン感受性の指標であるHOMA-IRが
ともに有意に高値であり、
インスリンが出ているのにもかかわず、
血糖値が下がらない
インスリン抵抗性が亢進している
状態になっていました。
また、閉経後女性では
より強い影響が生じることを確認。
具体的には、HOMA-IRが
全例では約15%
上昇するのに対して、
閉経後女性に限ると約20%
上昇していました。
体脂肪量が絡んでいないかも
解析してますが、
睡眠時間短縮の糖代謝に及ぼす影響は
肥満によって左右されませんでした。
【結論】
研究グループは
「医師は患者に対して、
健康にとって睡眠が重要な役割を果たしている
ことを教育すべきだろう。
特に女性に対しては、
睡眠時間を増やすことが
インスリン感受性の低下や
2型糖尿病発症予防につながり、
ひいては健康寿命を
伸ばすことにつながる
と伝える必要がある」。
としています。
さらに、
「女性は生涯を通して、
出産、子育て、閉経などの要因によって、
男性よりも睡眠に影響が及びやすいから」
とも述べています。
【引用文献】
女性の慢性的な睡眠不足は、肥満の変化とは無関係にインスリン感受性を損なう:ランダム化試験の結果(仮邦題)
Chronic Insufficient Sleep in Women Impairs Insulin Sensitivity Independent of Adiposity Changes: Results of a Randomized Trial.
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女性に感謝し、
女性をいたわる気持ちを
世の男性は絶えず、持つべき。
ということです。