地域のつながりが認知症を予防する!
近年、社会や地域における、
人々の信頼関係・結びつきを意味する
「ソーシャルキャピタル」
(社会関係資本)
という概念が登場。
人々の関係性やつながりを
「資源」
としてとらえます。
国立長寿医療研究センターの藤原 聡子氏らは、
日本人高齢者を対象とした縦断的研究データに基づき、
コミュニティレベルのソーシャルキャピタルと
認知症発症との関連を調査。
その結果から、
市民参加や社会的一体感の高い地域で生活すると、
高齢女性の認知症発症率が低下。
【方法】
日本老年学的評価研究の9年間
(2010~19年)
にわたる縦断的データを用いて、分析。
対象は、7つの自治体、
308のコミュニティに在住する
65歳以上の身体的および認知的に独立した
3万5,921人。
(男性:1万6,848人、女性:1万9,073人)
ソーシャルキャピタルは、
市民参加、社会的結束、社会的相互関係
の3つの側面より評価。
【結果】
・フォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、
6,245人(17.4%)。
・認知症の累積発症率は、
男性で16.2%、女性で18.4%。
・調整した後、個人レベルの市民参加は、
男女ともに認知症発症率の低下と関連。
【男性】HR:0.84、95%CI:0.77~0.92
【女性】HR:0.78、95%CI:0.73~0.84
・コミュニティレベルの市民参加
(HR:0.96)
および社会的結束
(HR:0.93)は、
女性の認知症発症率の低下と関連。
また、個人、コミュニティレベルを超えて、
女性の社会的相互関係は
認知症発症率の低下と関連が認められた(HR:0.95)。
「地域社会における市民参加や社会的一体感を
促進することで、
認知症発症までの期間を遅らせたり、
予防したりする可能性がある」。
【コメント】
女性の方が、ひと、地域との関わりが
認知症を予防する効果が男性よりも強かった。
女性の特性_
男性よりひととひととの関係を重視する
まわりのひとの健康などに注意を払う
太古からの「性の役割分化」に基づく
特性を活かした方法
男性は目的に基づく組織づくり
規範に従う特性を持ち、
女性ほど効果は出なかった。
ひととひととのつながりが
社会的動物というひとの
他の動物とは異なる特徴を
明確にしている結果となっています。
【引用文献】
認知症のあるコミュニティレベルのソーシャルキャピタル協会: 日本老年学的評価研究のデータを使用したマルチレベルの 9 年間の縦断研究(仮邦題)
Association of community-level social capital with dementia: A multilevel nine-year longitudinal study using data from the Japan Gerontological Evaluation Study.
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