「ねえ、貴方は誰なの?」
『………の…です。』
「もう一回聞かせて。」
また、目覚めてしまった。
名前を聞いて、返答を貰ったはものの、全くもって手がかりが掴めていない。名前の最後がのである事は確かだ。
「でさ、また例の夢見ちゃって。」
天「知らない人の?」
天「というかずっと気になってたんだけど、その人って女?」
「うん。女だよ。」
天「へー。何歳ぐらい?」
「20歳は超えてると思う。」
天「想像よりも上だったわ。」
「で、話に移るけど、その人の名前が一部だけ判明したの。」
天「一部だけ?」
「最後の文字がのってだけ。それ以外は分からない。」
天「なんでそんな局所的なところだけなの…」
「聞き取れなかったの。聞き返したら目覚めちゃったんだよね。」
天「いつもいい所で目覚めるね。」
天「名前って二文字なのかな?」
「全く分からないんだよね。それが。」
天「りのとか、ほのとか?」
「…ほの?」
天「お?心当たりある?」
「いや、無いんだけど、その人めっちゃほのって感じがして。」
天「今度聞いてみたら?ほのですかー?って。」
「うーん、分かった。また結果話すよ。」
天「じゃ、また夏鈴が眠たそうにしてるので。」
「ありがとね。」
あの人の名前は ほの なのかな?