蝶ヶ岳に登ってきた。

5月14日から1泊2日テント泊の予定で、

12本爪アイゼン、そしてピッケルを持ち、

上高地の徳沢から長塀尾根を登った。

 

登山口近くは雪はなく、夏道を歩いてゆく。

アイゼンとピッケルはただの荷物となっていた。

標高を上げていくと所々に雪が出てくるが、

十分に避けて歩ける程度だった。

 

2,000m付近の広場のような場所に来て初めて完全な雪道となった。

この雪は稜線直下まで続いていたが、当日の気温は高く雪が軟らかかったため、

登りでアイゼンは使用しなかった。

トレースやマーキングははっきりとしていて、道迷いの可能性は低そうだ。

 

 

2,400m付近でルリビタキが盛んに鳴いていた。

目の前に小さな鳥が飛び出してきたので何かと思えばキクイタダキだった。

少し前まで標高1,500mの上高地で見ることができた鳥たち。

季節に合わせてここまで登ってきたのだ。

 

僕は登り続ける。

 

平日だし、午後からは雨予報。

長塀尾根ですれ違った登山者は4人だけ。

とても静かな山行だ。

 

穂高の山々が左の樹間から見える。

 

山頂に着いた。

梓川を挟んで、槍・穂高の稜線が見える。

槍沢や涸沢にはまだたっぷり雪があるのが見えたが、

蝶ヶ岳の山頂付近の稜線には雪は全くなかった。

 

 

まだテントを張るには早すぎる時間だったので、

下山して横尾に幕営することにした。

山頂から横尾への分岐まで、快適な稜線歩きだ。

分岐についた頃、雷鳴が聞こえ、

雨がパラついてきたので樹林帯へ急いで標高を下げていく。

焼岳方面はすでに雲に包まれている。

 

 

 

樹林帯の雪道はアイゼンがなくても下りられるがつけた方が楽だと判断し、

標高2,000m付近までアイゼンをつけ、雪道を下りた。

横尾に続く登山道は標高を下げても雪が消えたり出てきたりを繰り返し、

いやらしい。

 

 

雨がひどくなる前に横尾に着きたいとの思いで足早に下山する。

横尾までもう少しというところで気を抜いてしまった。

木の階段で足を滑らし1mほど滑落。

重いテント泊の装備を背負っていたこともあり、

とても痛かった。

「もしここが蝶でなく穂高だったら死んでいた。」

そう繰り返し自分に言い聞かせながら横尾に下山した。