おとうさんのちず
ユリ・シュルヴィッツ 作
さくま ゆみこ 訳
6年生の読み聞かせで選びました。
もっと下の年齢でも、絵と物語で引き込まれると思います。
現実世界の抑えたトーンと、
想像世界の色鮮やかなトーンの対比が、印象的です![]()
作者の原体験だそうです。
祖国が不安定になり、家族で国外へ逃げ出すことになった男の子が主人公。
ものすごい空腹です。
ところが、家族のためにパンを買いに行ったお父さんが、
かわりに大きな地図を買って帰ってきます。
お腹はペコペコだったけれど、男の子を助けてくれたのは
うっとりと地図を見ながら
いろいろな美しい国に旅をさせてくれた、想像の力でした。
韻を踏んだ想像の世界の詩に、
日本らしい地名がくりかえし出てくるところが
訳者の工夫なのでしょうか。
男の子と読み手を近づけてくれます。
声に出しても読みやすく、すばらしいです。
戦争が主題でもあり、物語は明るいけれどやや重めではあります。
笑える短い絵本とセットにすると良いかもしれません![]()
6年生ならば
社会で世界地理を学んだり、ニュースで国同士の関係を耳にしたり
作者あとがきも理解してもらえるのではと思い、
実話であること、作者の子どもの頃の写真などを軽く紹介しました。
15分の絵本の世界も、
主人公の男の子にとっての「地図」のように
現実を乗り越えるための時間になるとよいな
と
願わずにいられません。
