63. 神との対話【解説】P125~126 人生が上向く方法⑨「目覚める」 | 心理カウンセラーによる 【神との対話】解説

心理カウンセラーによる 【神との対話】解説

20年以上前に出会ったニール・ドナルド・ウォルシュ著 「神との対話」を、わかりやすく解説します

前回まで、神さまは人生が上向く方法として、
8つの事項をあげられました。

 

①神は神の姿をかたどり、神に似せて、私たち人間を創造した。
②神は創造者だ。
③人間は三位一体の存在だ。たとえば精神と身体と霊と考えても良い。
④創造も三位一体で生じる。「思考」と「言葉」と「行動」により、すべては創造される。
⑤創造は思考から始まり、言葉となり、行動によって成就される。
⑥人間が考え、語り、行動すると、具体的な現実になる。
⑦創造のプロセスには「信念(知っていること)」が含まれる。
実際にはまだ見ぬ未来であったとしても、椅子がそこにあるように、絶対的信頼・完全な受容・身体的な理解・確信がある。
⑧⑦が解れば、自然と強い感謝の気持ちになる。感謝せずにはいられない。そして感謝は、創造の最大の鍵だ。すべてのマスターは、最初からことが成就することを知っていた。

 

以上が、前回までのまとめです。
今回は「人生が上向く方法」の最後である10番まで進めます。

 

⑨あなたが創造するすべて、創造したすべてを祝福し、楽しみなさい。
一部でも否定すれば、自分の一部を否定することになる。
あなたの創造の一部としてどんなものが現れようとも、それを自分のものとし、祝福し、感謝しなさい。
非難しないように努めなさい(「非難するなんて、とんでもないことだ」)。
非難するのは、自分を非難することだからだ。

 

神との対話1 P125

 

私たちが創造したものたちは、今現在、私たちの周囲にあります。
そのうちのどれをとっても、私たち自身が創ったものです。

 

神さまは、それらを非難することなく、祝福して楽しむよう勧めています。

 

私たちは感謝して何かを得て(創造して)、そして得たものを祝福し、楽しむように自分を意思づけるのが良いです。
自分が創造した存在たちを、愛し、大切にして、愛でたり楽しんだりすることを、神さまは勧めています。
そしてそれは、それらを創造した自分自身を非難しないことにも繋がります。
何を創造したとしても、その中には学ぶべきことが潜み、これからの希望やさらなる喜びや成長のために必要な経験が隠されています。
それらを非難しても、何も良いことはありません。

 

それでも、どうしても祝福も楽しむこともできないものごとが存在するときには、私たちはどうしたらいいのでしょうか。

 

⑩自分が創造したなかで、楽しめず、祝福できないものがあったら、選びなおしなさい。
新しい現実を呼び出しなさい。
新しいことを考え、新しい言葉を口にし、新しいことをしなさい。
立派にやり直せば、世界はあなたについてくるだろう。
「わたしが生命であり、道だ。ついてきなさい」と言いなさい。

 

神との対話1 P125

 

ここで神さまは「我慢しなさい」とは言わず、
選びなおしなさいと言っています。

 

周囲にある物も人も生活も、すべては個人的な創造物です。
私たちは全員、自分の世界を創っているのです。

 

だからこそ、祝福できず楽しめない存在があるのなら、愛をもって手放し、別の存在を人生に招き入れる必要があります。
それが、選びなおすということだと解釈しました。

 

以上の10の「人生を上向きにする智恵」の最後に、神さまは次のように言われました。

 

これが神の意志を「天国と同じく、地上にも」実現させる方法だ。

 

私たちは、自分を神(創造者)だと自覚する必要があります。

 

私たちは魔法使いのように・・・思考と言葉と行動により、自分の創造したいものを創造することができます。

 

そしてそこには、「自分が魔法を使えること・・・欲しいものを必ず手にすることができること」を知っている必要もあります。

 

また、その魔法の力は神から与えられたものであり、神の分身である自分自身や他の人々の協力によって望むものは手にすることができるはずなので、「ありがとう」という強い気持ちが自然と沸き上がります。

私たちは、涙ぐましい努力や耐え忍ぶことや必要以上の頑張りによって創造するのではないからです。
もちろん、そうしたければそうなります。
私たちは努力や忍耐や頑張ることをしなくても、望むものごとを創造できる存在です。
望み、言葉にし、行動することによって。
それが確実に創造できることを感謝することによって。

 

くり返しますが、創造の後、私たちは自分の創造物を愛して楽しむのが良いです。
創造したものは、自分そのものだからです。
でもそれができないなら、別の望みを抱くことで「選びなおし」をすることができます。
そしてまた、次のステップへと進むのです。

 

ニールさんはここまで聞いて、それが誰にもできる簡単なことのように感じ、神さまに質問しました。

 

そんなに簡単で、たった10項目で人生が上向くなら、みんなそうしているはずですよね?と。

 

神さまは次のように、答えました。

 

もうみんな、そうしているんだよ。
この「システム」がよくわかっていて、意識的に実行している者もあるし、自分が何をしているか知らずに無意識に行っている者もいる。
あなたがたの一部は目覚めて歩いているし、一部は眠りながら歩いている。
だが、誰もが、わたしが与えた力、わたしがいま説明したプロセスを使って、自分の現実を創造している。

 

神との対話1 P126

 

ここで言う目覚めているというのは、「自分が創造者であることを自覚している」状態のことです。

20年前と比べると、現在の方が、目覚めかけている人たちは断然多いと思っています。
私たちは目覚めかけていて、時々はっと目覚めます。
「あれ?これまでこの状況は他人のせいだと思っていたけれど、これは私が創った現実なんだ」とか、
「ことを成すには努力や我慢が必要と思っていたけれど、実はそうではないんだな」などと
知る人が増えていっています。

 

けれども、完全な目覚めにまで至らない人が多く、それよりも完全に眠っている人たちの方が多いです。
眠ったまま、自分の人生を創造しています。
例えば、いつも他人を悪として他人のせいにする人には、自分に不快をもたらす他人が入れ代わり立ち代わり人生に表れて、その人を「やっぱり他人のせいだ」と思わせ続けることでしょう。
同じような問題が人生で何度もめぐってくるのは、自分がその問題を思考や言葉によって創り出していることを自覚できていないことにも理由があります。
これは、眠りながら人生を創造している一つの例です。
私たちは眠りながらでも、人生を創造しているのです。
望まないようなことを考え、口にし、行動することで、望まない現実が創造されてしまいます。

 

だからこそ、私たちは自分の考えや言葉や行動に気を付ける必要があります。

 

自分にとって「良い行い」を重ねていくことは、無理をしなくてもできるように思います。
けれども自分が慣れ親しんできた「思考・考え方」を制するには、意志が必要です。
別の新しい思考を習慣化させなければ、これまでと同じ古い考えのまま時間が過ぎてしまいます。

 

神さまは「思考・考え方」について、次のようにお話されました。

 

人生を「上向かせる」には、まず人生についての考えを明確にしなければならない。
どうなりたいのか、何をしたいか、何が欲しいのか、よく考えなさい。
はっきりするまで、考えなさい。
そして、はっきりしたら、今度はほかのことは考えず、ほかの可能性を想像しないことだ。

 

否定的な考えは頭から追い出しなさい。
悲観主義を一掃しなさい。
疑いを捨てなさい。
不安を拒否しなさい。
最初の創造的な考えをしっかりつかんで放さないように心を鍛えなさい。

 

神との対話1 P126

 

否定的な考えを頭から追い出すために、私たちは癒される必要がある場合があります。
心を健康に保つために、たくさん笑ったり、好きなものを愛でたり、可愛い存在や美しい自然に囲まれたり、誰かの親切や優しさに触れる機会を設けるのが良いでしょう。

 

自分を大切に扱い、楽しませてあげましょう。
運動や睡眠で自律神経を整え、身体を休ませてあげるのも大切です。
身体の不調が、イライラや不安をもたらすなど精神的な不調につながることは普通のことです。

 

誰かに親切に振る舞うことや好きな人にプレゼントすることも、とても気分の良いものです。
誰かに与えたはずなのに、自分に豊かな感覚や安心感が与えられます。
また、優しい言葉の交換は互いを元気にさせます。

心を元気に保ち、それでも望ましくない人生を歩いていると感じるなら、仕事や住む場所やパートナーや仲間を選びなおすことが、神さまに勧められました。
それは勇気が必要な変化かも知れません。
でも私たちは神=創造者=愛=真実=自由=喜びです。安心して良いのです。

 

次回は、「人生を上向きにする方法」シリーズの最終回となります。
考えを言葉にすること、自分の思考をコントロールすることなどについて、学びます。