
五月の歌舞伎座はこれでしょ

【廓文章-吉田屋-】

初日に行ってきました。
歌舞伎座のさよなら公演にもありましたが、片岡仁左衛門さん、坂東玉三郎さんのご共演、現在最高の顔合わせですょね

仁左衛門さんの伊左衛門、花道の出の風情は何と言ったらいいか

ただただ夕霧恋し、フラフラとやって来てしまった吉田屋の店先

笠の下に隠れてしばらくお顔が見えず、えぇとこぼんは勘当されてやっぱり気の病に痩せ細ったか?!
体型の細さがひ弱そうでもあり、シャープで繊細な格好良さがあり、甲高いお声のみで舞台の左右とに彷徨うお姿、イジメには思わず同情したくなりますよね

なぜか私はね、細い帯を締めた腰から素足の爪先までの後ろ姿が、グッとそそられるのですょ

満を持して外す笠から響く「わしじゃわいのぅ」のセリフは耳に残りますし、ニコやかな笑顔は目に焼きつきますよね

ん~たまりませ~ん

お座敷に通されてからの更に仁左様のモジモジ拗ねるとこ、いじらしく可愛らしさが増幅されます

だから、吉田屋ご主人も女将さんも仲居も太鼓持ちもみ~んな放っとけない愛すべき若旦那様

玉三郎さんの遊女夕霧、伊左衛門でなくともその出が焦らされますよね

ぱーんと開け放たれた障子の奥、スポットライトが集中するようです

多くを語らずとも、艶やかさ華やかさ嫋やかさ大きさは独特の世界観ですね

豪奢な衣装の裲襠を広げると、歌舞伎座全体を圧巻します

この一幕は仁左様とでなければ確立し得ないかもしれません

この大迫力に頑張ったのは、太鼓持ちの片岡千之助さん。
小さな身体で足腰のシャキッとした元気さが、お座敷の明るさにいっそうプラスアルファ加わりましたね

現代ではあり得ない千両箱が重なる傾城の身請けの廓話

歌舞伎の世界だからこそ味わえる夢のような空間と時間です

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