


むか~しむか~し、あるところに気のやさしいおじいさんとおばあさんが山のふもとに住んでいました。
その近くには、ケチないじわるじいさんとばあさんが住んでいました。
気のやさしいおじいさんとおばあさんは動物が大好きでした。
花や草や自然が好きで、小さな庭には山から取ってきた花を植えて楽しんでいました。
ケチないじわるじいさんとばあさんは野良犬や野良猫がやってくると
庭ぼうきを持って、いつも追い払っていました。
「こらぁ~またやってきたなぁ~今度こそ、とっ捕まえてやるぅ~~!」
ドタバタドタバタ…
いつも騒がしい家でした。
ある日、気のやさしいおじいさんとケチないじわるじいさんが
山へ芝刈りにいくことになりました。
気のやさしいおじいさんは、ケチないじわるじいさんにもやさしい人でした。
気のやさしいおじいさんはケチないじわるじいさんがおむすびを持っていないことに気づき、
「お~い、ばぁさんや~もう二つおむすびこしらえてくれんかぁ~」
それを聞いたやさしいおばあさんは、理由も聞かず、
「あいよ~ちょっとまってくんろぉ~」と急いでおむすびを作ってあげました。
理由はもうわかっていたのです。
「あんたはん、この昼飯持っていきなはれ~」とやさしいおばあさんは、
ケチないじわるじいさんに手渡した。
「おぉ~ありがてぇありがてぇ~」と言いつつ、わざと持ってくるのを忘れたのです。
いつもこの手を使うケチないじわるじいさんだということを知っていても、
何にも相手を攻撃しないやさしいおじいさんとおばあさんでした。
このやさしいおじいさんとおばあさんはいつも二人でこう話しているのです。
「ばあさんやぁ~この世は、本当は、なぁ~んにも起きてねんだ~」
「わしらはみ~んな神さまの子だから、いつも、ありがてんだぁ~」
「おらたちも、相手にも、なぁ~んにも罪なんかねんだぁ~」
「 そうだんべぇ~だから、いまを精一杯暮らしてりゃぁ~きっと守られてんから安心してればえんだぁ~」
すると、おばあさんも
「わたしゃ~いや~な気持ちが出てきたら、天の使いにぜ~~んぶ渡しちまってるだぁ~」
「あはは…ごくらく、ごくらくぅ~~」
「あはは…」

ふたりはいつまでも
永遠に
なかよく暮らしていましたとさ。。
めでたし
めでたし




