林の中の象のように。

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バトー『一つ聞かせてくれ。今の自分を幸福だと感じるか?』

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素子『…懐かしい価値観ね。少なくとも今の私に葛藤は存在しないわ。孤独に歩め。悪をなさず、求める所は少なく、

バトー『林の中の象の様に。』 

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この言葉は仏陀の『ブッダの感興のことば』第十四章「憎しみ」の引用である。

「良き伴侶を得られない場合は、孤独を貫け  孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように 」

  • 仏陀は、この一節で”孤独”が必ずしも不幸に結び付くわけではないことを説いた。


    良き伴侶と出会えることは喜ばしいことだが、出会えなかったからと言って決して不幸になるわけではない。


    求めるものが少なければ、不幸になることも無く静かに安寧に生きていくことが出来る。

    作中では、少佐と結ばれる事のなかったバトーに向かって荒巻が、そして再びネットの深淵へと消えていく素子が、バトーへこの言葉を言っている。


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    少佐と結ばれず、孤独に生きる道も、多くを求めなければ決して不幸ではない。


    このセリフはそのことを表していると考えられる。

出典:中村元(訳)法句経日本語訳『ブッダの感興のことば』文庫版