ドラマ『カルテット』は、今回も4人のキレッキレの会話が楽しかった。
餃子を食べていないのに、餃子談義に花が咲き、最後にドキュンと家森くん(高橋一生)が、「やめませんか」と冷たく言い放つ。
家森くんが、レストランで働くありすちゃん(吉岡里帆)とLINEしていて、明らかに断られてる返事なのに、薀蓄たれて希望があると言いくるめようとするところも、笑った。
よくあることなんだけど、心の中で相手にツッコミいれるようなことを、明確な言葉として発せられたらドキッとしまう。
思いを言葉にするって、むつかしくて、だからこそ出てしまった言葉は、重たくなる。
これだよね。
小説の中の会話は、これでなくてはいけないと思う。
今回のメインの話題は別府くん(松田龍平)が真紀(松たか子)をいつから好きだったかということに絡めて、なぜ「偶然」カラオケボックスで出会ったかということが、わかる。
やっぱり「偶然」なんかじゃなかった。
別府くんは、大学生のとき、宇宙人のコスプレ姿で、偶然(それは、本当に偶然)ヴァイオリンを演奏していた真紀に一目惚れしてしまった。
真紀が幸せな結婚をしていなかったところに、つけこもうとしていると、別府くんは責められるわけだけど、そんな駆け引きができる男ではない別府くんを松田龍平は、よく演じている。
どこか、ぼーっとしていて…それは、育ちの良さのせいもある、という役どころは、パキッとした役よりもむつかしそうな気がする。
傷心の別府くんは、いつもカラオケで遊ぶ飲み友達のもうすぐ結婚する女性に甘えてしまうんだけど、それもいたし方ないと、思わせてしまう。
そして、別府くんは「ドーナツホール」の仲間とともに彼女の結婚式で演奏する。
最後に別府くんのソロがある。
曲目がまた、ニクイ。
大学生の頃に、真紀が弾いていた「アヴェ・マリア」から転調していき、2人のカラオケの思い出の曲「WHITE LOVE」に変わる。
一方、別府くんと真紀のやり取りを録音していたすずめは、「真紀さんは、本気でダンナさんに捨てられたと思っている」と真紀の義母に報告する。
ということで、ひとつのモチーフがキチンと謎と結びつくという仕掛けもあって、目が離せません。
来週は、すずめちゃんの秘密が明かされそうで、楽しみです。