リリちゃんはわたしがテーブルに座って何かをしていたら目の前に陣取ってじっと見つめてくる。
「遊んで!」要求がプレッシャーやねん。
前回のアンスラサイクリン系ケモ(化学療法)は1/15で2週間後から髪がぬけはじめると聞いていた。
かっきり2週間後の1/29から指で髪の毛を挟むだけで、ごっそり抜ける。
そこから外ではウィッグ、家では帽子という生活になる。
前から抜けることはあきらめていたのだが、床やベッドに髪の毛が散乱したり、髪を洗ったときに排水溝にごっそりたまるのを想像してうんざりしていた。夜テレビを見ながら、根無し草になった髪の毛をむしっていたら、ビニール袋一杯くらいたまってしまった。
もしもこの様子を誰かが見ていたら、鬼気迫る様子がさぞ気持ち悪かろうと想像した。
あっという間にこんな感じ…
その後も抜け続けて地肌が見えてくる。残った髪の毛を自分で刈り込んだ。もうちょっと引っ張ったくらいでは落ちないようになった。
なんともいえない晴ればれした気持ちになるのが不思議。
これでもう悩みの種だった、髪の毛が散らばる事態からは逃れられそう。
ということで、次のケモまでの元気な間に明石の「人丸花壇」に温泉に入って蛸懐石のご馳走を食べに行った。
去年、今年と人丸花壇のおせち料理を食べて、実際に熱々のものが食べたくなったのだ。
食欲は相変わらず健在。
よし!次もがんばるぞ! という気持ちで迎えた2/5の2回目ケモ。
もうアナフィラキシー反応のないので、点滴の間ぐっすり眠ってしまった。
今回は最初から水やお茶ではなく、ポカリスエットをひたすら飲み、尿として薬を排出するに務めた。
その甲斐あってか、体は前回よりも楽な気がした…
翌週の月・火もだるいながらも出勤できた。
だがっ!
2/11は祝日で家でのんびり過ごしてもう元気になるだろうと思われた翌2/12(木)、朝から起き上がれないほどのしんどさ。
身体が重く、息切れがする。結局仕事を休んだ。
なぜだ? やはり聞いていたとおり、1回目より2回目、2回目より3回目としんどさが増すのは本当なのか?
会社の年次決算が1月末で、どうしても翌日は行かねばならないとがんばって仕事に行った。
その夜、帰り道でも息切れがひどい。
このしんどさは数年前に富士山の5合目から8合目に、風雨にさらされながら40kgの荷物をかついで登ったときに匹敵するほどのもの。家に帰ってもしんどさは収まらず、ふらふらする。
そこで、ふと思いついた。
Apple Watchを買ったばかりのころ、喜んで心電図を調べたりしていたが、最近は存在すら忘れていたその機能を思い出したのだ。
案の定というべきか…
心拍数が165~180を乱高下しており、まともに心電図が描けない。この状態が帰り道からだから2時間近く続いた。
Apple Watchはすぐに医療機関に連絡しろっ!と告げてくる。
病院に連絡して状況を説明したら、今すぐ来いとのこと。
妹に連絡して、車に乗せてもらい病院に向かった。
なのにっ! 行きの車中で平常状態に戻ってしまった。病院で心電図を計測しても普通。
なんやねん。
2/19に主治医の診察を受けて「こんなおそろしい目にあったのははじめてで、もしも心臓が不可逆的に悪くなるなら、癌細胞を殺す前に、心臓がお陀仏になったら意味がないので、もうケモはやめたい」と告げた。
先生は「心拍数というのものは、何かがあればすぐに上がるし、実際ここに来る患者さんもわたしの前に座っただけで心拍数が120くらいになる。測ってみる?」と言われ、指を小さな機器ではさまれた。
心拍数は80くらいで、ほぼ平常。
「わたしは先生に対して緊張しませんから」と言うと、部屋にいた看護師さんたちが皆笑った。
ということで、いったん循環器内科を受診して心臓の状態を調べてから今後のことを決めることとなった。
なかなかうまくいきませんね。
昨日は高校の同期会で、80名もの人たちが集まった。一昨日から嘘のように元気になって、参加できた。
帰りは映画『教場Requiem』を見た。前編にあたる『教場Reunion』はNetflixで視聴したので見ざるを得なかったのだが、観てよかった。思わぬ結末に驚きが大きかった。





