息子、卒業にあたって・・・。 | 〜 シゲさんの「疾風勁草」ログ 〜

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2014.6.1~ReNew!

〜Photologue〜

写真一枚からの日常ログを書き綴っていきます。

それと、、、(不定期になりますが)
東日本大震災から丸三年が過ぎた今、自身で経験したボランティア活動を一枚の写真から振り返っていきたいと思います。


一昨日、3.12の早朝、、、

長い揺れがあって。。。



何か嫌な揺れだった。

3年前を思い出す鈍い揺れだった。



その日は息子の中学の卒業式。

3年前の3.11も卒業式が行われた学校が多かった。

その思いが頭をよぎるような、朝、まだ暗いうちの揺れだった。。。





万一の余震発生時の退避案内から始まった式は無事取り行われ、

新しい進路に胸を膨らませた15才の子どもたちはとても輝いていた。

歌声が澄んでいてとても清らかだった。




式辞の随所に出てくる、

 "義務教育終了"。

この言葉に、

肩の荷が下りたような・・・、

寂しい思いを抱くような・・・、

そんな複雑な想い。



そして、

どうしてもあの日の事を思い出してしまう。



開放感一杯の子どもの気持ち。

晴れのお祝い心を抱く親の気持ち。



きっと、あの日、3.11も、、、

僕ら親子が抱く気持ちと同じだったろう。



・・・でも、、、

その時その場で地震と津波、それと原発事故を経験していない自分は、被災した方々の本当の気持ちに到達する事は出来ない。


ただ、気持ちを繋げようという事だけは出来る。


そうしていよう、、、そうするしかないと、自分の気持ちを一旦踏ん切った。





帰宅後、初夏を思わせる15度超の気温に誘われ、自宅玄関脇の植栽を剪定していたところ、、、

早速私服に着替えて颯爽と出掛けた息子。。。



その背中を目で追って、、、

思わず、

・・・今日、何事の震災も起こらないように…

と、願わずにいられなかった。。。




  ~校庭に咲く薄桃の梅




さかのぼって3月6日。

千葉県の公立高校後期受験発表の日。

自分は一日人間ドックの検診日。



検診の合間、恐る恐るながら息子の無事の合格を知った。

第一志望はハードル高めの高校と聞いていた。


そのせいか合格の報を聞いたとき胸高まる感激。

そう、胃カメラと次の大腸検診前の苦痛感が一気に吹っ飛んだ。

勢い、その日の仕事帰り、"合格おめでとう"のメッセージを書いて貰ったケーキを買った。

帰宅の折りは、皆で食事に出掛けていて不在だったけど、、、

ほどなく帰ってきた息子におめでとうを伝えると、何よりほっとした顔。

そして、ケーキは別腹と、一緒に食べた。





そこで後期受験は安全圏の第二志望校に切り替えたことを初耳とする。


・・・苦笑い。



でも、、、

そんな現実感のある選択をした息子を頼もしくも思った。



自分の進路だから、親の期待を背負うようなことをしないこともアリだ。

そんなこと、親だって知っている。


でも、いい方、出来る方へと親の価値観は導く。

それに応えてくれると親は喜ぶ。

そんな親を見て子はがんばる。

もちろん、それも大いに結構なこと。




一方、子どもの人生を信じること。

子どもの選択を信じること。

その選択を、差別意識や区別感情無くして受け入れること。

そして、いつだって、応援すること。



その時、

自分は親としては一区切りの感を持った。



ひょうひょうと、

 "あれ、言ってなかったっけ?"

なんて言って笑う息子。


家人には父に話ずみだと言ってたようだ。

まぁ、父は自分の考えを受け入れてくれるだろうと思っていたとすれば、それもよしとしよう。

・・・そう思った。




そして、一語、息子に贈った。


 「鶏口牛後」


そう、背伸びして大きな群れに付くことはない。

自分の意思で選んだ場所で、先へ・前へ進め。





庭の沈丁花がこの日の暖かさからか、

そのつぼみが開いていた。



春を示すその芳香が部屋一杯にひろがって、

息子の卒業を祝ってくれてるようだった。





思い返すと、

幼稚園の頃、
サッカーチームでゴールキーパーに手をあげたのも、


小三の時、
スポ少野球チームに自分から友達を誘って入団したのも、


中学で、
担任が監督をしているバスケットボールに新たにチャレンジしたのも、


全部、自分で決めていた。



争いを望まず、双子の兄の下、三男らしいおっとりタイプで、走るのが苦手とみていた息子が、バスケット部でレギュラーをとり、俊敏に走っていた姿を見たとき、やるなあいつ、と思った。

最後の最後、受験で一杯食わされたのもいい思い出となった卒業の日。



会場で式辞と一緒に同封されていた短い手紙。

その中に、高校合格時ケーキを買ってきてくれたこと、合格を一緒に喜んだことが書かれていた。

あの時、共にただただ喜んでよかったと思う。




そして、手紙の最後の一文には、

 おこづかいを上げて下さい。

と書かれていた。



ちゃっかりしたやつ。

まだまだ子どもだと思った。


少し認めて、あともう少しの間、可愛がってやろうと思う。





息子よ、卒業おめでとう。

いい卒業式、卒業の日でした。



君が居たからがんばれたことが山ほどある。




-END-


追記:
お読み苦しい文章があればご容赦下さい。
自分の記録のために…とも思って書きました。