金メダルへの想い…それぞれに。 | 〜 シゲさんの「疾風勁草」ログ 〜

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2014.6.1~ReNew!

〜Photologue〜

写真一枚からの日常ログを書き綴っていきます。

それと、、、(不定期になりますが)
東日本大震災から丸三年が過ぎた今、自身で経験したボランティア活動を一枚の写真から振り返っていきたいと思います。


今日は2つめの記事投稿。



はい、


いま、ソチ五輪たけなわです。(^^)






   *   *   *






2月11日。


朝のNHK、AMラジオ。


目を覚ましてスイッチを入れたのは6時すぎ。


このスイッチ・オンのタイミングで、全盲の女性からだというFAXかメールの投書がラジオから読み上げられました。




”沙羅さん、素晴らしいジャンプでしたね。”



そして、次に、



”工藤アナウンサーも素晴らしいインタビューでした。”



という内容。。。




続いてラジオのキャスターが言いました。



今朝の女子ジャンプの高梨沙羅選手は…、


4位という結果でした、、、と。




・・・正直、驚いて。。。



そう、


高梨選手、メダル確実と思っていたので…。





ただ僕は、その4位という結果に、、、


少しだけ”もしや”と思っていた心配なトコロを思い出したんです。




それは、高梨選手の言葉。



 「見ている方に、、、


 楽しんでもらえるようなジャンプを見せたい」



ソチに入ってからずっとこのコメントを口にしていました。




・・・だって、


見ている方へのプレゼントとなれば、、、


そのプレッシャーはいかほどだろうかと…、


そんな余計な心配を勝手に思って。。。




それともう一つ。。。


 「お世話になった方々への御礼に…」


とも言われてました。




それも間違いなくそうなんでしょう。


もはや自分だけのための競技ではないということ。




それもよくわかるケド。。。


まだ17歳、、、集大成にはまだ早く、今はまだ自分のためにのびのびと挑戦して欲しいと思ったわけです。。。





・・・それにしてもオリンピックの神様は、


W杯常勝の選手にさえ酷な結果を与えるものです…。







   *   *   *






そして、この高梨選手への葛西選手が出したコメント。



 「絶対に外さないメダルが外れた。


 本人が一番悔しく泣いていると思う。」




その葛西選手。


長野の4年前、1994年リレハンメル五輪のラージヒル団体のメンバーでした。


その時の最後のジャンパーは原田選手。



そう、


普通に飛べば金メダルというところで・・・、


当時のエースがまさかの大失速。




・・・その結果、


葛西選手含めて、銀メダルに終わるわけです。


絶対と思った金メダルが直前に外れた…。


そしてこれが、葛西選手にとって五輪唯一のメダルになっていると。。。



そして、4年後の長野五輪。


その団体で、日本は見事に金メダルを獲得。



・・・でもその時、


葛西選手は直前の怪我で団体メンバーから外れるという不運な巡り合わせが待っていて…。





 "本人が一番悔しくて泣いていると思う…"



そんな経験を持つ葛西選手だから、高梨選手のメダルを外した本人の痛みがわかるのだと思う。




そして葛西選手は、、、


未だ手にしていないオリンピック金メダルに執念を燃やして今も現役を続けている。


そして今や尊敬される”レジェンド”に。



そう、


日本チームの主将にもなった今、


ラージヒルでは力を出し切ってのジャンプを期待します!






   *   *   *






話は戻って、、、


ラジオで読まれた全盲の方の投書に出た工藤アナウンサーのこと。



カルガリー五輪から計13回の五輪放送を担っているベテランアナです。


今回のソチでも選手の情報を細かくわかり易く伝えてくれています。


その工藤アナが行った高梨選手へのインタビュー。


その終わりの方で、、、



 ”これからも、、、


 皆が沙羅さんのこと応援すると思いますよ。”



そして最後に、



 ”よく頑張りましたね。”



 ”ありがとうございました。”



と。。。




まだ若き17歳のアスリートに対する、


優しい労いの気持ち、


それと、


W杯で勝ち続けている選手への尊敬、


その両方が工藤アナのインタビューに溢れていました。




そして、投書した全盲の女性。




その工藤アナの実況を聴いて、


高梨選手のジャンプ姿と、


立派にインタビューを受け答えするその言葉に、


ひときわ感動して投書したのだと思います。


4位だって立派なことなんだよって、伝えたかったのだと思います。




   *   *   *






この工藤アナの事をもう一つ書きたいと思います。




長野五輪の男子個人ラージヒルでの実況時、


原田選手の2回目の大ジャンプで、



 ”立て、立て、立て、


  立ってくれーーーー。


  立ったーーーーーーーー!”



って叫んだあの人です(^^)。




これで原田選手は、


1回目6位から見事に逆転で銅メダルを獲得。




なぜ、工藤アナはここまで絶叫したか・・・。




・・・その理由は。。。


この原田選手の大失速で金メダルを逃した、4年前のリレハンメル五輪に話が戻ります。




この時も工藤アナウンサーが実況。



そして原田選手2回目のジャンプの時、



 ”高さはある!


 金メダルに向かう!”



・・・と実況。




ところが、、、


工藤アナの実況内容とは異なり、途中から失速。


踏み切りから大失敗のジャンプだったのです。




そのとき、、、


原田選手の気負いある早い立ち上がりを見抜けず、


普通に飛べば金メダルという、


 ”思い込み”


が工藤アナ自身にあったといいます。




そしてその”思い込み”の表現が、


”高さはある・・・”に。



それから4年後・・・、


先の”立て、立て、立て!”の絶叫。




これは自身のリレハンメル時の”未熟さ”からその観察力を学び直した結果、


この日の原田選手の飛び出しのタイミングを見て、



 ”飛距離が出すぎて立てないかも・・・”



と予測したからなのだそうです。。。




これは工藤アナのものすごい観察力。


選手とともに悔しがり、そして学んできた4年間だったのだと思います。





   *   *   *






こうした歴史を経て、


今、念願の金メダル獲得に向かう葛西選手。




そうして、


ソチで金メダル確実と言われながらメダルを逃した高梨選手。




その高梨選手を労う葛西選手のコメント。


自身も失意の経験があったからこそのコメントだと思います。



その失意の高梨選手へインタビューをした工藤アナ。


メダル獲得の難しさを知る、工藤アナならではのインタビュー内容。




それぞれの想いが交差します。



高梨選手は、今回の挫折を経験して4年後更に強くなると思う。。。


また、長い選手生活を送ってくれそうな気もします。




   *   *   *





最後に、、、


高梨選手、最大のライバルからのコメント。



 ”彼女も人間だったことを示した。


 それでも彼女を素晴らしい選手だと思っている”



これは、もうひとりのサラ。


サラ・ヘンドリックス(米)のコメントです。


手術後、ソチ五輪に間に合って今回出場を遂げたサラ選手もまだ19歳。


今回の五輪は21位という結果でしたが、立派に記録として名前を残してくれました。






 


オリンピックの金メダルへのドラマはまだまだ続きます。



その金メダルへの想い、人さまざまです。。。





ソチ五輪のスローガンは、



 「HOT・COOL・YOURS」



”ホットでクールな、みんなの大会”という意味。




そう、


そこに敗者はいない!





#がんばれ、選手たち!




-END-