GW後半は大雨からのスタートとなりました。
東日本では高速道路の通行止めや土砂崩れのニュースが。
せっかくのGW後半初日は大荒れの一日となりました。
この悪天候で、先日のような高速バスの大事故が起こらないよう祈っています。
* * *
さて、話は変わって、
今年の2月初旬、奈良県の橿原市に行って来ました。
ここは自分にとって、とても思い出深い場所。
後でゆっくり整理しようと思っていたら、あっというまに5月になってしまいました(苦笑)。
ここから本題です。
高校時代テニスをやっていて、
その大会が橿原市にある「明日香村テニスコート」という場所で行われていました。
全国から集まるその大会は、ラケットメーカー主催のエントリー制の大会で、春休み中の3,4日間、トーナメントと練習試合をみっちりと行う強化合宿兼全国の強豪を知るとても貴重な大会でした。
当時は、ただただゲームのことだけしか頭にありませんでした。
でも、不思議と覚えている光景がいくつかあります。
- 周りはうっそうとした竹林。
- 細い通路の旧い街並み。
- 沈丁花の香しきにおい。
(当時は何やら落ち着かないにおいと感じていました)
- ランニング中、いつも見えた小高い山。
- 突然出てきた近づきがたい神社。
もう25年以上も経っているのですが、ここ4,5年ほど不思議と思い出されるのです。
”行ってみよう”
そう思っているうち、数年が過ぎ、そしてその機会がようやく今年2月に訪れました。
難波から近鉄に乗り、記憶に残る駅名「橿原神宮前」まで約1時間。
半日あれば十分行って帰ってこれます。
さて、橿原神宮前駅に着いてみると、、、
やっぱり、全くといっていいほど、思い出とダブリません。
駅員さんにこの辺りに大きなテニスコートはないかと聞くと、この駅近辺には無いと言います。
ここで、一抹の不安が…
”もう無くなったんじゃないか・・・”
ただ、続けて駅員さんが、
2,3年前に中・高生から同じような質問を受けて探した記憶があると、地図を広げて探してくれました。
そこは隣駅の「畝傍御陵前(うねびごりょう)駅」から歩いて約30分のところではないかと。
”あ~、そうか、橿原神宮前は宿泊ホテルで、会場は確かに電車に乗って移動したんだ”
記憶がよみがえって来ました。
目的地は隣駅。急く気持ちを抑えて電車を待ちます。
「畝傍御陵前駅」に降り立ちました。
当時はこんなにきれいな駅ではなかったと思います。
記憶が心配になりながら、ここから真っ直ぐ歩きます。
そう、途中、川があって橋を渡ることを覚えています。
途中に本薬師寺という古いお寺がありました。
司馬遼太郎氏のエッセイ(「司馬遼太郎が考えたこと」)にも書かれた場所ということで、その文章のコピーが戸口に貼られていました。まずはここでここまで来れた事に感謝し一礼。
不安からがら10分程歩くと、記憶通りに川が現れました。
その名も「飛鳥川」。
記憶が正しかった事の喜びで、足取りが軽くなります。
更に記憶通りの街並みが。
小さい道に竹林。更に足取りは軽快に。
20分程歩くと、遠くに竹林に囲まれたテニスコートらしきものが見えました。
もう間違いなしです。
実は、もう無くなっているのではないかという心配がありました。
でも、橿原神宮前の駅員さんの言葉から光明を得、訪ねてきた甲斐がありました。
そして、到着。
平日の午後、人はだ~れもおりませんでしたが、間違いなく、思い出の場所。
賑やかで張り詰めた当時の緊張した空気は、ほんのかけらもありませんでしたが、とにかくこの場所が残っていたことが、うれしくてうれしくて、、、
この木の表札を何ども触っては思い出に浸りました(苦笑)。
* * *
さて、ここからです。
当時、ウォームアップのランニングした先にあった、小高い山、沈丁花の香り、そして畏れある神社探しがここから始まるのです。
小走りに、テニスコートの先を更に歩みます。
わずかに記憶ある細く旧い街並みを過ぎると、幹線道路にぶつかり、その先、目の前にその山が現れました。
「香具山」です。
これが思い出の山。
そして、この麓に神社があるはずです。
* * *
この「香具山」、
”天から降ってきた”という伝承から「天(あま)の香具山」とも呼ばれている、あの有名なお山です。
万葉集でも、「天」という美称がつけられた山はこの香具山だけだそうです。それだけ特別な存在と位置付けのお山。
そんな山だったとは。。。
でもやっぱり、、、それだけ”気”がありました。
何十年と脳裏から離れなかった”気”が。
出会いに、そして呼んで頂いたこと(勝手な想いですが)に感謝です。
~香具山を読んだ万葉歌~
春過ぎて夏来たるらし白栲の衣乾したり天の香具山
-持統天皇-
久方の天の香具山このゆふべ霞たなびく春立つらしも
-柿本人麻呂-
* * *
そして、香具山の麓の神社。
こちらとも出会えました。
入口に立った時の畏れ多い雰囲気。
当時のままでした。
全身の毛が逆立つような感じです。
ここで一旦、長文になりましたので、続きは次便で書かせて下さい。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
次便は「天岩戸神社」との再会、そして「天香山神社」への出会いと続きます。
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