このお正月休み、本の読み返しをゆるりとして過ごしています。
震災後、一気に読書量が減ってしまい、、、
そのため、
読書を介して出会う言葉や文章への感動、
そして、新しい発見や新たな感心が少なくなっていました。
今年は、読書の方にも時間を費やしたいと思います。
さて、自身のプロフィールにも書いておりますが、
私の一番好きな作家は「藤沢周平」さん。
再読したのは、辰年にちなんで、
「龍を見た男」 という短編。
舞台は山形県鶴岡市の海沿いにある湯野浜温泉近くの「善宝寺」と「貝喰(かいばみ)の池」。
(貝喰の池は、数年前、「人面魚」で有名になりました)
「男は気性と、金だ」という、信心のかけらもない一匹狼の漁師が主人公。
甥を漁の最中に死なせてしまった後でも、恐れを知らないよう漁を行う主人公を心配して、妻が善宝寺へのお参りに誘います。
そう、善宝寺は、龍神さまを守り神として、漁師の方々の大漁と安全祈願の名刹です。
そこで、昼飯を食べようと向かったのが「貝喰の池」。
ここで主人公はこの池に、人生で初めての恐れを抱きます。
物語では、この龍神さまのご加護があり、信仰・信心の尊さや、人の心の変化をさりげなく伝えてくれます。
* * *
辰年の今年、
龍神さまを身近に感じることとして、
日常での安心・安全への導きを一層祈念したいと思います。
--- 以下、善法寺の写真です ---
(2008.12月撮影)
善宝寺入口の山門。
「貝喰の池」の全体感。水は青色。
ここに龍神様がいるという。本当にそんな雰囲気のある池です。
「龍を見た男」の主人公は気味悪がって、妻に”ここでの昼飯はよそう”といいます。
池の先には祠があり、燈明台が立ててあります。
また、池の鯉用の餌も売っています。
水面すれすれの木々が艶かしい雰囲気を出しています。
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