「長谷川等伯と狩野派」の展示会に行ってきました。
日経新聞朝刊小説でも連載中の「等伯」。
当時の画壇に君臨していた狩野派をライバルとして、独自の路線でぶつかっていく等伯の気迫がおもしろい小説です。
毎朝楽しみにしています。
昨年で没後400年。
本展示会では、その長谷川派と狩野派の絵の違いや、お互いを意識いているところなどがわかるように展示されています。
「長谷川等伯と狩野派」展覧会
@出光美術館(東京・丸の内)。
素人の私の感想ですが、見たまんまを言うと、
狩野派の絵は画風全体として完成された型があります。ただ等伯と比べると、絵に奥行きはあるもののやや平面的な印象です。
ただ格調は高く、とても優雅です。全体を見てのきらびやかさがあります。
一方、等伯の方は、大胆かつ繊細。
線と色での奥行きがあります。
また、全体配置のバランスが大胆。白の空間をも利用している感じで、躍動的です。
そう、今でも動き出す感じ。
狩野派の雅(みやび)なものへ対抗するかのような大胆で力強さが際立ちます。
「波(なみ)」の書き方をとっても、長谷川派は直線的で強さが見えて、狩野は細かく丸く優雅に書いてます。
比較展示は違いがわかっておもしろいですね。
買った絵はがきの画像。
同じく「虎」。 (「竹虎図屏風」 等伯 桃山時代)
狩野派ではこのような構図は考えられなく、自然体の描画に独自性を見出したといえるそうです。(学芸員さんの言葉から)
松も優雅、鶴も繊細。
奥に書いている花(芥子の花?)も綺麗です。
左上に描く滝の構図が狩野派の型を感じます。(またも素人意見です)
余談ですが、狩野派は信長、秀吉の支持があったせいでしょう、展示品を見ても色が生々しく、当時にて相当いい顔料を使っているのでしょう。今も色あせていませんでした。
もう一度、等伯。 (「竹鶴図屏風」 等伯 桃山時代)
左に描いた「竹」が良くってこの絵はがきを買いました。
色の濃淡で奥行きが見えます。
中央には鷺が葦の中の巣で休んでいます。
狩野派は鶴を優雅に立たせますが、等伯は鶴を身近で自然体な構図描きます。
どうやら自分は、絵が生きているような錯覚を覚える、等伯(長谷川派)の絵の方が好みのようです。
※展覧会は18日までです。
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