明日は台風。関東は大荒れの予報。

私も我が家でやり過ごす予定です。何事もなければいいのですが。皆さんもお気をつけて・・・・。

 

 さて、今回は私の職業である歯科技工士、現在の問題2点について書いてみます。

 私が、技工士になったころは、毎年2000人以上が資格を得て、歯科技工士になっていました。

 ですが、今年は、900人を割る事態になったいます。技工学校も生徒がいないため、廃校が相次いでいます。

 

 なぜ技工士になろうとする人が少ないのか?

 その訳は、

 1、残業が多い。私なども月150時間をオーバーするような経験を長年してきました。当然当時から卒業後就職してすぐにやめてしまう人が多かったのです。

ちなみに今も100時間以上残業しています。

 2、給料が安い。現在サラリーマンなら、新卒でも20万円はもらえますが、技工士ではよほどの残業を覚悟しないとベテランになっても30万は越えられません。また、ほとんどの場合ボーナスはありません。

 まぁ、中には条件のいい職場もありますが、例外的です。

ほかにも色々あるのですが、大きな問題点は上記の2点です。

 現在、技工士の平均年齢は55歳を超えています。このままだと絶滅してしまいます。

 いいのかな?

これらを解決する方法は実はあります。厚生省がやる気になればね。

 保険制度には入れ歯などを作る費用が、補綴物製作料として組み込まれています。

 現制度では、それは歯科医にいったん支払われてそこから技工士に支払われます。この時、訳5割が歯科医に取られてしまいます。

 これが直接技工士に支払われていれば、我々の労働環境は劇的に改善します。

 これは厚生省も知っていることなのですが、独占禁止法を盾に実行しません。

 その裏には歯科医師と技工士の力の差が大きく影響しているのですが。このままでいいんですかね?

 

 さて、2つ目の問題。

日本の歯科界におけるデジタル化の立ち遅れ

 現在、先進国では、デジタル技術の発達により、口の中を、スキャンして、そのデータを技工所に送り、補綴物(入れ歯、被せ物)などを製作するようになってきています。

 多くはCADCAMでの削り出しです。

 利点は精度が高く、材質が良い補綴物が早く作れること。

が、日本では大きく立ち遅れています。30年前と同じ作り方をしているんですよ。

 その理由は、

 技工士側が貧しいため、高価な機械を導入できない。(最低200万円以上はします。)

たとえ購入できても歯科医から払われる技工料ではペイできないこと。

 例えば、削り出しで、作られる入れ歯は世界的に、6~8万円ぐらいですが、現在、日本の保険の入れ歯は技工料6千円~高くても1万円ぐらいです。

 これは、中国や、韓国にも遅れているってことです。

 

 これでは若い人が来てくれるはずがありません。また、患者さんのためにも改善は急務だと思います。

 

 さて、長々と書いてきました。

厚生省の方々、歯科界の皆さん、このままで、いいのでしょうか?

世界に笑われますよ。

 制度としては素晴らしい保険制度。でも時代に合わせた改善は必要です。