みなさま、こんばんは。

 

今日は入院患者さんの支援者会議があり、帰りが遅くなりました。

通常は昼間にやるのですが、こちらのご家族の都合に合わせて遅めの開催だったためです。

 

こちらの患者さん、統合失調症で無為・自閉傾向が強く、入院前ははずっと寝たきり、食事も1日一食食べるだけという生活。

入院してからは、月に1回の注射で済むタイプのいわゆる”持効性注射剤”で治療し、ゆったりとしたペースですがかなり良くなりました。

 

この注射剤は3か月に1回タイプのものもあり、月1回の注射で症状が安定していれば移行が可能なんです。

昔は精神科といえば、1日何十錠も大量の薬を飲まされてさまざまな副作用が出ているといった「薬漬け」のイメージが強かったのですが、時代は大きく変わりました。

 

実はこちらの患者さん、1か月に1回の注射以外には飲み薬は一切飲んでいません。

これで様子をみて、問題なければ3か月に1回の注射に切り替える予定です。

周囲の人からすると、まるで何の薬も飲んでいなし、何も治療していないかのように見えるかもしれませんね。

 

 

 

さて、今日は『韓非子』から。

 

有形之類、大必起於小、行久之物、族必起於少

ーー『韓非子』喩老第二十一

 

 

形のあるものといえば、大きいものは必ず小さいものから始まる。

時間を経ていくものといえば、多いものは必ず少ないものから始まる。

 

 

例えば目の前にすごく大きい物体があったとしましょう。

でも、どんなに大きなものでも原子、もっというと素粒子のようなうーんと小さなものが最小単位な訳です。

 

また少ないものであっても「チリツモ」の原理でいつかは天文学的な量にまで増えることだってあります。

 

 

心の治療も似たようなことが言えるかもしれません。

 

元々は些細なことから始まった症状が、いつの間にか後戻りできないくらいにまで発展することもある。

 

逆に地道に治療を重ねていけば、亀の歩みであってもたどってきた千里の道を笑顔で振り返ることだってできる。

 

 

 

 

 

 

さあ、明日は仕事納め。

みんなで笑顔で1日が終われるように、今日も早めに休みますキラキラ