おはようございます。
さて、朝ですが、今日のお題は「晩夏と銀河鉄道の夜」です。
昨日は、予定外だったのですが遅番をすることになったんです。
折しも、まさに日が暮れていくところ。
病院から駅までの道すがら、夕暮れから夜の帷へと変わっていく空模様の美しいこと。
コオロギや鈴虫の合唱もBGMになり、港方面から心地よい潮風も吹いてきたりして、「ああ、幸せだなあ」と感じました。
病院は丘の上にあるのですが、坂を下りて駅方面に向かって歩いていると、向こう側の鉄橋を電車が通りすぎていきました。
なんだか、
「銀河鉄道みたい」
でした。
もう晩夏ですけれども、清少納言が「夏は夜(が美しい)」と言ったのがよくわかりますし、
宮澤賢治は、きっと夜空を背景に鉄橋を渡っていく汽車を見て、銀河鉄道の物語を思い浮かべたに違いないな、なんて考えていました。
そして、そんな風に感じられる自分の心の一部も好きだな、と思いました。
そんな今日は、『荘子』。
罔両問景曰:「曩子行,今子止;曩子坐,今子起。何其無特操與?」
景曰:「吾有待而然者邪?吾所待,又有待而然者邪?吾待蛇?蜩翼邪?惡識所以然!惡識所以不然!」
ーー『荘子』斉物論篇 第二
罔両(うすかげ)が影にむかって問いかけた。「君はさきほどは歩いていたのに今はたち止まり、さきほどは坐っていたのに今は立っている。何とまあ節操のないことだよ」
影は答えた。「僕は自分の意志でそうしているのでなく、頼るところ(人間の肉体)に従ってそうしているとみている。しかしね、僕の頼るところはまた別に頼るところに従ってそうしているらしいね。僕は蛇の皮や蝉のぬけがらのようにを頼りないものを頼りにしていることになるのだろうか。とはいえ、なぜそうなのか分からないし、なぜそうでないのかも分からないんだよ。
罔両=薄影は、本物の影の周りにできる薄い影のこと。
その薄い影が、影に向かって「節操がないね」なんて言っているのが皮肉です。
書いていたら、宮澤賢治とかに達が「クラムボンは笑ったよ」なんて話している光景が目に浮かんできました。
8月最後の日の朝です。
素敵な木曜日になりますように