おはようございます

 

さて、昨日の朝、「漢字が多すぎる」(笑)という理不尽な理由で部長が放り出した『李衛公問対(りえいこうもんたい)』

 

 

この書の冒頭では、

 

「正」:正攻法

なのか、

 

「奇」:奇策、ゲリラ戦術

で行くべきかを太宗と李衛公が議論を戦わせています。

 

 

さあ、昨日に引き続きちょっと長い文章いきますよ(今日はコピペだから、部長、元気ハツラツです!)←余裕をかましている部長グラサン

 

 

太宗曰、高麗数侵新羅、朕遣使諭、不奉詔、将討之。如何。靖曰、探知蓋蘇文、自侍知兵、謂中国無能討。故違命、臣請師三万擒之。

太宗曰、兵少地遥、何術臨之。靖曰、臣以正兵。

太宗曰、平突厥時用奇兵、今言正兵何也。靖曰、諸葛亮七擒孟獲。無他道也。正兵而已矣。

太宗曰、晋馬隆討涼州、亦是依八陣図、作偏箱車。地広則用鹿角車営、路狭則為木屋施於車上。且戦且前。信乎、正兵古人所重也。

靖曰、臣討突厥、西行数千里、若非正兵、安能致遠。偏箱、鹿角、兵之大要。一則治力、一則前拒、一則束部伍、三者迭相為用。斯馬隆所得古法深也。

 

本橋部長的翻訳はコチラ↓

 

太宗:高麗が新羅を何度も攻めておる。朕は使節を出してこれを諭したが一向に聞き入れぬ。よって、高麗を討伐しようと思うが、貴卿はどう思われるか。

李衛公:探りを入れてみましたところ、蓋蘇文(高麗の重臣)は自分が戦上手だと鼻高々で、中国が攻めてこようなどとは全く考えていないようです。それが命令に従わない理由です。陛下、私に3万の兵をお任せいただけないでしょうか?必ず生捕りにしてご覧に入れます。

太宗:3万とは少ないな。しかも路は遠いのであるぞ。どのような戦術を考えておるのだ。

李衛公:正兵を使います。

太宗:突厥(ツングース系遊牧民族)を平定する際は奇兵を用いたのに、なぜ今回は正兵なのだ。

李衛公:諸葛亮孔明は孟獲を7回生捕りにし、7回解放しました。他に道はありません。正兵以外に考えられません。

太宗:西晋の馬隆が涼州を打つ際に、諸葛亮孔明の八陣図に基づいて偏箱車(背の低い馬車に屋根をつけて兵士を乗せた戦車。屋根のついたリヤカーのイメージ)を編成した。道が広ければ鹿角車(偏箱車を前後左右に連結して隊を組んだもの)、道が狭ければ木の屋根を作って車上に施し(一列になって前進し)た。戦いながら前進するにはこのような正兵が重要なわけだ。

李衛公:私めが突厥を打つ際も、西域を目指して数千里の道を進んだのでした。正兵でなければ持ち堪えられなかったでしょう。偏箱、鹿角は用兵の要です。一つはこちらの兵力を温存し、もう一つは隊伍を組むことによって前方から来る敵の攻撃を阻み、さらにもう一つにはこのようにして軍隊の隊伍を束ねることで兵力を精鋭なものにしたのです。

 

この段落での正と奇は、敵に見える形で前進する王道の戦略が「正」、息を潜めるように敵に察知されないように動くやり方が「奇」ということなのでしょう。

 

『李衛公問対』では、この正と奇に関してのさらに議論を深めていきます。

 

次回も、続けていきます。