おはようございますキラキラ

 

女子兵法部、部長の本橋ですグラサン

 

 

私は20年ほど日本を離れて中華圏で生活をしてきた経緯から、日本人の強さ、弱さというものを外側から見つめ続けてきました。

 

見えてきたのは、日本人が公平・不公平とか格差というものに敏感であるということ。

また、「努力は報われる」と信じているということ。

 

この辺りは、日本人の素直さ、天真さ、善良さの表れであり、美徳の一つだと思います。

 

が、厳しい見方が許されるならば、平和ボケと揶揄されたり、「守られて当然」という土壌を作り出し、依存や甘えが量産される「お子様国家」であり続けることを集合意識として許容していないでしょうか?

 

 

 

中国人や中華系の人たちは、「格差慣れ」していますし、「人生とはある局面では公平であり、ある局面では不公平である」ことを知っていて、「報われる努力をすること」のコツも知っています。

 

 

『孫子』には、

 

不可勝在己、可勝在敵

 

と記されています。

 

 

この文章の構造は面白くて、

 

「勝てない理由は自分にある、勝つ理由は敵にある」という意味になりますが、「勝てない」のも「勝つ」のも自分です。

ただ、その「勝てない」要因は自分サイドにあり、自分が勝つとしたら鍵を握るのは自分ではなくて、相手サイドだというのです。

 

これって、日本人は苦手だと思います(私も含めてですけれども)。

 

 

 

日本人だと、勝ったのは「自分の努力が報われた」ということになると思うし、「勝てなかった」のは「努力やメンタルの強さが足りなかった」という振り返りになってしまうと思います。

 

中国人の場合、勝つために努力するのは当然のことであり、最終的に勝ったのは相手側の弱い部分やほころびが大きくなっていって自滅したから、ととらえています。

 

 

オリンピックや国際試合をみていても、勝つ時というのは相手からミスを連発していくと思いませんか?

逆に、勝てない時は自分がミスを連発している時です。

 

 

日本人が中国人のような老獪さも身につけるようになった時、本当の意味で「メンタルが強い」ということになるのかなあと私は感じています。

 

中国哲学の大家で長年兵法の研究をされている守屋 洋先生は、

「勝利と敗北以外に、”不敗”という過程や結果がある」と説かれています。

 

精神療法でも、二択ではマインドが過度の緊張状態となってしまう場合、わざわざ第三の選択肢を設定して選びやすくすることもあるくらいです。

 

もしかしたら、ダイナミックな歴史から学んできたこの辺りの知恵が、中国人の遺伝子には組み込まれているのかもしれませんね。

 

 

そして本当の意味で「賢さ」「強さ」を理解した時、人はリラックスするのでしょうね。

 

 

それでは、ごゆるりと日曜日を満喫ください宝石紫