これまた去年の話になるが、十二月のとある日横ゑからメールが『アース(バッテリ・バイパス)を手伝ってほしい』とのこと。
 家族で工場を営むという環境から、工具類は勿論、軍手やウエス・廃油の処理まで勝手が利くし、オイラ自身その手のことが好きなのだが…『なにもこんな寒いときにせんでも』とは言ったものの『冬は寒いの!!』と聞く耳持たず。 計らずも十二月でも屈指の寒い夜に作業することになった。

 さて、と。缶コーヒー&タバコで一服しながら、市販のアースキットを開封し説明書に目を通すが。やはり賢くない二人、“実際に見て触ってみないと、な。”ということで横ゑ愛機Ninja900の前に立つ。 キットが専用設計品であり、先程の缶コーヒーの温もりが残っていて寒さも苦にならず、更には幼少の頃から身体に染み付いた“嫌な事は後まわし”的発想で、アッという間に2/3程度が完了。

 したのだが、ここで大魔王の出現! たかがM8のキャップスクリュウの仕事ではないようなトルクのネジがあるではないか。
決して華奢でも非力でもないと思われるオイラが、パイプで六角レンチを継いでトルクをかけようとも緩む気配なく。ネジの頭かレンチをなめてしまいそうである。またそういうのに限って、奥まった、手の入りにくい箇所についているのだ。 作業が滞ると寒さが堪えてくる。

 一時中断で、作戦会議。 無理にまわそうとして“涙”な結果になるよりは・・・しかしここでやめるわけにもいかない。
 要するに頑固なネジでアースコードの先を挟んで固定し、電気導通をとるだけの話なんだから。と、ここで作業場を工場に選んだ真価が発揮された。 
 六角の穴があいてるわけだから、導通のある鉄で六角の内接円に合せて削ってやれば、後はアースコードの先を挟んでキャップスクリュウに圧入するだけである。 応急的なモンだしササッと旋盤で削り出して、コンッと叩き込んで作業終了。ただ狭い隙間に手を突っ込んでの作業だったので、どこかで引掻いたのかオイラの手は血まみれ。 ま、達成感とゴキゲン横ゑに免じてシャーナイとするか。

 後日、バイク屋でネジを緩めてもらおうとしたところ、緩まず。『これでエエやん!』とバイク屋のオッサン。 だったら応急的じゃなくもっと丁寧に作ったのに!!!(職人魂)