最近思ったことのメモ -3ページ目
最終兵器彼女(マンガ版)の考察です。
なお、ネタバレを含みますので、知りたくない人は読まないようにしてください。



全体のストーリーはすごく単純です。
人類を滅ぼす最終兵器にされてしまった女の子(ちせ)と、その彼氏(シュウジ)の物語です。
時系列に書けば以下のようになるでしょうか。

1.平和な高校生の日常の描写
2.ちせとシュウジがが付き合いだす
3.どこかで戦争が始まるという伏線
4.徐々に戦争の影が濃くなり、ちせが最終兵器に改造されてしまったことをシュウジが知る
5.地球規模の災害が起こりつつあることを示す伏線
6.戦争の悲惨さの描写
7.ちせとシュウジの苦悩の描写
8.ちせは、シュウジ以外の人類を滅ぼし、人類を苦しみから解放する
9.地球規模の大災害の発生
10.巨大な宇宙船となったちせはシュウジを乗せて、衛星軌道から地球を見守り続ける

疑問1 地球に何が起こったのか?

原作の中にハッキリとは書かれていませんが、幾つかのヒントが出ています。
1.地球に起こっていることに関連して地震が増えていること
2.人類の小さな間違い(何らかの実験の失敗?)が原因となっていること
3.日本の裏側(アメリカや南米)の方が酷い状況になっていること
4.地球の終わりを示す描写に、マグマの噴出と思われる描写があること
以上から、私が思うに、地球内部に影響を及ぼす何らかの実験の失敗によって、スーパープルームに近い何かが発生したんじゃないでしょうか。
スーパープルームとは、地球の内部から上がってくる超巨大なマグマの塊です。
以下の動画が分かりやすいです。

「大量絶滅」巨大噴火が哺乳類を生んだ

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=8oOiRvIYEtI

おそらく、人類最後の日に始まったのが、本格的な噴火の始まりで、
その終局の前段階として、地球規模で火山の活動が活発になったんじゃないでしょうか。
地球の裏側が酷い状況になっていることから、イエローストーンが破局噴火を起こした可能性が示唆されているように思います。

疑問2 戦争の相手国はどこ?

直前の疑問に関係しますが、地球の裏側の方が、日本より早い段階で災害による被害が大きくなったようです。
災害による食糧危機と国土の喪失が戦争の切欠ではないでしょうか。
戦争の初期状態では、英語を話す敵国の兵士が描かれていますが、英語を話す兵士の存在と地球の裏側の惨状という描写をみると、やはりイエローストーンの破局噴火が原因で、アメリカが新たな入植地を求めて戦争を起こしたように思います。

その後、何語か良く分からない(スペイン語?)言語の兵士が出てくるようになりますが、
他の国でも食糧危機や火山の噴火が起こっているのでしょう。

疑問3 ちせが人間に戻れなくなったのはどのタイミングか

序盤に、ちせが自分の中の兵器が成長していることに気が付いた直後に、人間に戻れる最後のチャンスがあったとの描写があります。つまり、兵器が成長していることに気が付いた直後であれば、人間に戻れたかもしれないようです。
まあ、このタイミングでちせを人間に戻そうとしたとしても、ちせを改造した研究所は戦争初期に破壊されたとの描写もあり、戻れたかどうかははっきりしませんが。

なお、最終巻でちせは、戦争の勝ち負けに関係なく地球規模の災害によって人類が滅ぶことと、シュウジだけは何としても守るために兵器としての自分を成長させたことを語っています。

疑問4 ラストシーンの意味

ちせは自らを宇宙船に変えて、シュウジを災害から救うわけですが、これはノアの箱舟というよりは、シュウジだけを救いたいという利己的な欲望から生まれたものです。
物語の終盤に、ちせはシュウジとの子供を欲しがっていたという描写があるので、宇宙船とは、ちせの子宮のことなんでしょうね。
最後はシュウジを自らの胎内(子宮)に宿して、子供が欲しいという自らの願いを叶えるわけですね。
宇宙空間に漂うちせと、その胎内の子供を考えると、2001年宇宙の旅のラストを思い浮かべました。


ところで、地球規模の災害が噴火であった場合、長い時間はかかるでしょうが、いずれは地球環境は生物が住めるものに戻ると思われます。
動植物のほとんどは死滅しているかもしれませんが、新しい生態系も長い目で見れば出来上がっていくのは間違いないでしょう。

最終巻にて、ちせの命はシュウジより相当長いことが示唆されています。
遠い未来には、ちせとシュウジ(の遺体?)は、もう一度、あの高台があった場所に戻ることが出来たのかもしれないですね。