




たしかにあんまりうまそうには見えないけど、自分は残さず食べた。よく文句言うのを聞くけど自分はまずいと思ったことはあんまりない。
だけど、朝食はちょと感心しなかった。ササカマにミルクってのはね。実際、前回入院の時には朝はパン食にしてもらったからね、今回も22日からはパン食にしてもらった。
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17日、回診で採血。DRは若い新顔だった。夕食にサバが出たが、なんだかサバばっかりの感じ。病院経営大丈夫なのかと自分の体を忘れて心配する。
この日、ベッドの頭の所にかけた自分のバッグに手をかけたとき、隣のベッドのジーサンが「うるさい」と小声で言ったように聞こえた。「えっ?」と思った。まさかそんなことは言わないだろうとは思った。たんなる気のせいか、うめき声のようなものだったのかはっきりしない。
だって、自分でも注意してなくては聞き漏らすようなカチャッという小さい音だ。まさかとは思ったが、このジーサンなら言いそうなのだ。ただ、ベッドとベッドの間にはカーテンがあって、「音」しかわからないので予想がつかない。
そのジーサンは70歳くらいで東京日本橋の出身だと言っていた。しかし、その性格は悪く、家族には甘やかされていて子供っぽいワガママな年寄りだった。
このジーサンがアホだとわかったのは前日のことだった。その日は夜に雨になった。すると、これははっきりと「うるさい」とジーサンの怒鳴り声がしたのだ。自分が何か騒音をたてたのかと思ってしまったが、「まったくうるさい雨だ」と怒鳴ったので、ジーサンは雨に怒鳴っているとわかった。
しかし雨の音がうるさいと言っても、台風などではない、普通のパラパラといった感じの雨だ。それを怒鳴っているのだ。雨も怒鳴ればやむと思っているバカジジイだとわかった。これはうっかり話もできないと思ってくちはきかないようにした。
そういうバカジジイだからバッグの金具がベッドにこすれた小さい音にも怒る可能性はあるだろう。つくづくバカジジイだと思った。