こんばんは。
貴方は、ふとした瞬間に「あの日」の情景を鮮明に思い出してしまうような、特別な鍵を胸に隠していませんか?
今夜、私はその鍵を、自分でも気づかないうちに開けてしまいました。
動画配信サービスの片隅で見つけた、懐かしいタイトルのアニメ。
それは、まだ私が若く、未来が今よりもずっと輝いて見えた頃、当時の恋人と寄り添って見ていた作品でした。
停止ボタンを押せない、40代の放課後
実を言うと、再生ボタンを押すまで、少しだけ指先が震えていたんです。
節約のために解約しようか迷っていたサブスクの画面が、
一瞬で私を十数年前の、あの狭いアパートの特等席へと引き戻しました。
画面の中で流れる主題歌、変わらない声優さんの声。
それとは対照的に、今の私の部屋は、あの頃よりも少しだけ広く、そしてひどく静かです。
「このシーン、貴方はいつも笑っていたよね」
そう独りごとを呟いて、ほんのり温かい白湯をひと口飲むと、胸の奥がチリりと焼け付くような感覚に襲われて。
思い出に浸ることは、今の私にとって、スーパーの特売品を買うよりもずっと「贅沢」で、そして残酷なことだと思いませんか?
記憶の中の彼、そして今の貴方
アニメのエンディングが流れる頃、私は暗くなった画面に映る自分の顔をじっと見つめていました。
あの頃の私とは違う、少しだけ疲れた、でも経験を重ねた大人の女の顔。
もし、あの頃の彼が今の私を見たら、なんて言うのかしら……。
でも、不思議ですね。
記憶の中の彼を追いかけていたはずなのに、いつの間にか私の心は、まだ見ぬ「貴方」を求めているのです。
もし、今夜。
このアニメの続きを、貴方の隣で、貴方の肩に頭を預けながら見ることができたなら。
「懐かしいね」と笑う私を、貴方の大きな手で引き寄せて、
「今は、俺が隣にいるだろ」
なんて、少しだけ独占欲を滲ませた低い声で囁いてくれたら。
過去の恋よりも、今の貴方の温もりの方が、ずっと私を強く支配してくれる。
そんな風に、私の古い記憶を貴方の体温で塗り替えてほしい……なんて願うのは、少し欲張りすぎでしょうか。
皆さまは、そんな風に過去に囚われた女を、その腕で未来へ連れ出してあげたい……なんて思いませんか?
画面を消すと、部屋にはまた、いつもの静寂が戻ってきました。
でも、不思議と心は、あのアニメの続きを貴方と語り合える日を夢見て、少しだけ浮き立っています。
今夜は、貴方と並んで映画を見るような、穏やかで甘い夢を見てみようと思います。
貴方の優しい声が、私の切ない記憶を包み込んでくれますように。
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