昨日はインディゴ気仙沼の女性代表取締役の講演を聞いた。
インディゴ気仙沼は、気仙沼に嫁いだ元バリバリキャリアウーマンの女性が立ち上げた藍染の会社。Iターンの典型例です。
彼女が気仙沼に来て感じたこと。
まず、平均所得が低いことに驚いたらしい。
なんと272万円。
そして震災後の、人口減少、少子高齢化。
子供がいても働けるフレックス制の企業はないに等しい。都内にはたくさんある、ちょっと風邪気味の子供を預けて働くために必要な病児保育施設はなし。
だけど一番大きなニーズとしては、育児の悩みとか情報を打ち明けられるママ友が欲しい、ということだったらしい。
夫しか友達がいない状況だったから、自分で育児サークルを立ち上げたんだって。
そのうち、育児サークルでやってたイベントは楽しいけど、でも馴れ合いじゃなくって、子供がいても働いて収入を得られる職場が欲しくなったそう。
その人の目線に立たないと、見えない課題ってたくさんあるのね。
意外かもしれないけど、経営者だけど、自分で「こうしたい!」と走り出したことはないんだって。
「自分がどうしたいか」よりも「周りの人が自分にどう動いて欲しいか」と考える。
その時求められる役割を演じ、「演じる以上はきちんと責任を持って」とやっていたら、思わぬ風景が見えるところに来てしまった、と言ってた。
“演じると決めたら、責任を持ってやる”
最初の起業をしたときに、
「何かがうまく行ったときに、自分のものにしたがる人は100人中99人。
うまく行かなかった時に自分の責任だというのは1人
涙を飲んでも後者になれ。」
って言われたんだって。
自分が演じる役割に関しては、「女性であること」を自分の価値として強く認識しているみたい。
男性は、「これ」っていうものがあるし、プライドがある。
でも、困りごとを波風立てずにうまくかわすことができるのが女性だと思っている、って言ってた。
いろんな話があったけど、結局私に一番残ったのはここから。以下、その方の言葉をそのまま記しておきます。
気仙沼に来てから、幾多の困難があった。だけどその度に、気仙沼の方々は「大丈夫?」って入って来てくれる。
東京では、選択肢がいくらでもある。
でも、地方にはない。
地方には、地方ならではの不文律があって、気づかぬうちに禁忌をしてしまってトラブルになったことがあったり。
準備をするのは大事。だけど、どんなに自分でできたと思っても、人から見たら30%しかできていないことって多々ある。
諸先輩方が入ってくる時の、伸びしろを残しておくことが大事。
どういう場所に行ったら、もっと自分の力を発揮できるんだろう、と考えて欲しい。
自分の限界を決めないで、いろんなところに行って欲しい。
どんなに能力がある人でも、一人でできることは小さい。
気仙沼に来て私が覚えたことは、頼ること、甘えること。
感謝さえ覚えていれば、助けてくれる人はいくらでもいる。
何かしてくれたらお礼をする。物をあげるんじゃなくても、ちょっとした手紙を渡すとか、その人がほしそうな人脈を紹介するとか。
存分に可愛がられて、頼ってください。
