自民党の安倍晋三は選挙対策のため憲法改正を争点から外しました。

政府の第九条改正案: 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない
前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。(下線が改正部分)
 
第2項は自衛隊の存在を明文化するうえで必要です。問題は第1項の武力行使は国際紛争を解決する手段としては用いない、の部分です。ここからどうして政府の提示する周辺事態の6類型や重要事態安全確保法、国際平和支援法のようにわが国が侵略、攻撃された場合とは書かれていない状況でも自衛隊の戦闘行為を可能にする法案ができるのかです。特に政府が例示したアメリカ本土向けミサイルを自衛隊が撃墜するという場面です。こんなことをすれば当然ミサイルを撃墜された国から日本に報復ミサイルが飛んできて、それをパトリオットで撃墜し損ねたら日本に3度目の核爆弾が落とされるの可能性があるのは明らかです。
 
周辺事態における6類型
 
1.我が国周辺で武力紛争発生が差し迫っていて我が国平和と安全に重要な影響がある
2.我が国周辺で武力紛争発生していて我が国平和と安全に重要な影響がある
3.我が国周辺で武力紛争が一応停止したがいまだ秩序維持、回復が達成されず我が国平和と安全に重要な影響がある
4.ある国の行動が国連安保理により平和に対する脅威あるいは平和の破壊または侵略行為と決定され、その国が安保理決議による経済制裁の対象となるような場合であってそれが我が国平和と安全に重要な影響がある
5.ある国の政治体制混乱等によりその国で大量の避難民が発生し我が国への流入の可能性が高まっていて我が国平和と安全に重要な影響がある
6.ある国で内乱、内戦が発生し純然たる国内問題にととどまらず国際的に拡大して我が国平和と安全に重要な影響がある
 
 重要影響事態安全確保法
目的アメリカ軍等に対する後方支援等を行うことにより日米安保条約の効果的な運用を中核として外国との連携強化
派遣地域現に戦闘が行われている現場では実施しない
対応①後方支援
補給、輸送、修理、医療等
②捜索救助
③船舶検査
④その他必要な措置
  
 国際平和支援法
目的国際平和共同対処を行う外国軍等に対する協力支援により国際社会の平和と安全確保に資する
派遣地域安全確保法と同上
対応同上
 
しかし結局第2項は改正しなくても現在すでにこの改正案と同じ憲法解釈で自衛隊を保持しているので、ただそれを明確に文書化したにすぎません。
 
したがって改正憲法案の下でも他国から武力攻撃のない状態での武力行使を目的とする安保法案は違憲のままとなります。それを強行採決して、法案に合わせて後から憲法を変えようというのですから、立憲主義、法治主義を踏みにじる稀代のファシスト暴走政治家です。
 
ところで現在の日米安全保障条約は日本領土で日本またはアメリカ(つまり米軍)が攻撃された場合に日米共同で対処するために締結すると書かれています。攻撃された場合の自衛権は現在の9条の「国際紛争解決の手段としての武力行使放棄」にかかわらず正当防衛と認められますから日米安保条約にも日本が個別的および集団的自衛権を有すると明記されています。
 
その集団的自衛権を安倍は日本が攻撃されてもいないのに「平和と安全に重要な影響を与える場合」にまで勝手に拡大していますから明らかに従来の憲法9条解釈を超えています(つまり違憲)
日本が攻撃される前にそれを防ぐためとはいえ自衛隊を海外に派遣すれば明らかに「国際紛争解決のための武力行使」のための軍事作戦ですから憲法違反です(国内で戦争に備えて部隊をあらかじめ展開するのは違憲ではない)
 
断っておきますが 集団的自衛権行使が憲法違反なのではありません。日本防衛のために集団的自衛権をアメリカに行使してもうために、かつ日本自らも集団的自衛権を行使してアメリカと共同で日本を防衛するために日米安全保障条約を締結したのですから日本防衛のために戦争するアメリカを日本が武力援助できないのではおんぶにだっこされたままの子供みたいな条約になってしまいますから、この点を明確にする安保法案に修正して審議する必要があります。