お久しぶりです。
暑さに弱くなっているのか、それとも気候が劣悪なのか、
外出する気になれない今日この頃です。
当然写真もありません。
(´・ω・`)
で、話しは変わりますが、
バイク売りました。
売っちゃいました。
ビッグスクーターの方ですね。
冷静に考えてAT車を二台持ってるっておかしくない?
って事をこの1年考え続けて、その結論です。
付け加えると、同じメーカーのAT車なのに、結構操作が違うんですよ。
一番厄介なのが、クラクションボタンの位置の違い。
NM4-02は左側ハンドルの一番下の部分に「シフトダウン」ボタンっていうのがありまして
AT走行中でも任意のタイミングで自由にギアを落とすことが出来るんです。
そして暫くするとまたATモードに戻る。
FORZA(MF08)のハンドルの同じ部分にあるのが、
そう、
クラクション。
NM4-02と同じ感覚で「あ~エンブレ使いたいなぁ~、シフトダウンしよう」って
ほとんど無意識にボタン押しちゃうんですよね。
押した本人が一番驚きですよ。
いや、周りの車両の皆さんごめんなさい。
そういうアクシデントが大体、月に1回はあったんですよね。
そしてそれが全然最後まで改善しなかった。
なもんで、もうこのバイク止めようってなりました。
結構長い間乗ってたんですけどね。
多分今までの人生で一番長く乗ってた。
就職活動で内定が出た時にその足でバイク屋に行って契約したので、今から13年前?
更に2年前に電装系のトラブルで不動車になって、
同じバイクを買い直しました。
それくらいこのバイクに入れ込んでました。
あの時はバイク屋さんに笑われましたね。
「こんな新鮮みのない納車は初めてだ」って。
正確には壊れたのはMF08の前期型で、
買い直したのは後期型だったので完全に同一の車体では無かったんですが
所有者じゃないと分からないくらい細かなディテールの違いですからね。
という訳で、10年以上乗ってきたホンダのFORZA(MF08)について、
今日は写真を交えながら解説していきたいと思います。
先ずはサイドから。
10年前のビッグスクーターブームの際は、
都心を走るビッグスクーターの2台に1台はFORZAだったんじゃないかというくらい
このバイクは売れに売れました。
当時としては風防(スクリーン)が最初からショートスクリーンであることが話題を呼びました。
それまでどちらかというと年配の人がターゲットだったビッグスクーターが
ストリート向けの若者のためのバイクという風に
市場の変化が起きたのもこのバイクがターニングポイントだったように思います。
デザインも完成されていて、
MF08(前期)からMF08(後期)にかけての外見の変更はテールランプくらい。
MF08(後期)からMF10になると流石にスクリーンやタンデム部のシート、グラブバーなど
細かな変更が入りました。
学生時代に買ったMF08(前期)には
どこのメーカーだか分からないリアキャリアを付けてGIVIのボックスを載せていましたが、MF08(後期)を買う頃にはビッグスクーターはバイクの一大市場になっていたこともあり
GIVIからリアボックス専用のリアキャリが出ていました。
ただ写真の専用リアキャリアは買ったのではなく最初から付いていた物です。
MF08が前期から後期に変わった時に一番大きく変わったのがテールランプの造形です。
このテールランプのデザインは実は前機種のMF06の頃のものを踏襲していて、
MF06からMF08にモデルチャンジした時に
「FORZAのカッコいいテールランプが無くなった」と
市場から大ブーイングがあったことを受けての復活、といった流れらしいです。
この左右分割式の丸目のテールライトが
当時「ビッグスクーターなのにスポーティーな走りが出来る」という
FORZAの象徴のようなものだったということです。
ハンドルにはグリップヒーターとナックルガードを装備。
本当、これさえあれば、グローブはどんなものでも構いません。
学生時代は少ない金を握りしめて
バイク用品店で冬用グローブを散々吟味していましたがすべて徒労でした。
どんなグローブを買っても冬の寒さには勝てません。
しかも冬用グローブは例外なく厚手で、操作感が著しく損なわれます。
安全面という点からも、冬用ブローブはお勧めできませんね。
このナックルガードは風を完全にシャットアウトしてくれる機能性に加え
黒いクリアパーツで出来ているためバイクの車体に良く合います。
MF08の前期型のオプションとして買ったのですが、後期型にも付けることが出来ました。
(付けてくれたのはバイク屋さんです)
ハンドル周りのモディファイは基本的に無かったんだと思います。
下の方にちらっと見えているのはスピーカーのグリルですね。
これも前期型から後期型への外観上の変更点です。
ただし中に収まるべきスピーカー自体はオプション扱いだったので、
この車体にはスピーカーグリルだけが付いている状態でした。
どうかと思うよ。
FORZAに「スポーティーなビッグスクーター」という意味付けを持たせていたもう一つの要素がこの4連メーターでした。
中央部の液晶もメーターとシンクロするかのように丸型を採用していました。
これほどメーターが並んでいたバイクというのは
当時は大型バイク、それもツアラーやメガスポーツといったフラッグシップ機に限られていたため
それをどちらかと言うとナンパなイメージのビッグスクーターが採用したことは衝撃的でした。
ところが現代ではコストが十分にかかっているはずの大型のバイクですら、
メーターパネルは極力簡素に、そしてアナログの針ではなく液晶表示の方向に進んでいます。
やはり振動の多い環境でアナログの針表示を正確に行うというのは
メーカーからすれば「それにそこまでコスト掛ける必要があるか?」ってことなんでしょうか。
あるいは単にそういう流行なのかもしれません。
一番左のガソリン残量の表示は非常に正確だった覚えがあります。
基本的にバイクっていうのは車体を傾けることが常なので、
ガソリンの残量を把握するのが難しい乗り物なのですが。
この車両はFIなので、ひょっとしたらタンク内のガソリン容量をセンサで測るだけでなく
使用した燃料の量を別でカウントして、
それら2つの値から残量を推定していたのかもしれません。
フロントです。
見事にライダーの胸から下が隠れるデザインです。
どのビッグスクーターにも言えることですが、
おかげで高速走行時の走行風も非常に少なく、
防寒も上半身に集中して装備すれば事が足ります。
ちなみに高速道路での最高速度は120kmでした。
そのスピードになると(回転数に関わらず)燃料供給が止まるような感覚で
エンジンのレスポンスが無くなるため
恐らく速度を基準にしたリミッターが働いているんだと思います。
普通に巡行する分には十分なんですけどね。
ヘッドライトは2灯式で、
スポーツバイクにはよく「片目がロービームでもう一方がハイビーム」
といった作りになっているものが多くありますが、
これはちゃんと両方ともローとハイの機能があります。
これのお陰で夜間走行時は非常に明るく、初めての土地でも走っていて安心感が違います。
(その点NM4-02は照射範囲が非常に狭く、照らしている部分以外は全く見えないので慣れない道を走る時の不安感が半端ないです。)
最後にちょっとマニアックな話になりますが、
これはフロントカウルを下から撮影した写真で、ハンドルと前輪部を繋げてる部品になります。
上から降りてきているハンドルの軸と下からのフロントフォークの2軸が、
一つの黒いパーツ(ブリッジ)で固定されていることが分かるかと思います。
実がこれがビッグスクーターの越えられない壁、最後まで改善されない前輪の剛性の低さです。
通常のバイクの場合この固定のパーツはトップブリッジ・アンダーブラケットの2つがあり、
両者が10cm程度離れていることで十分な剛性を確保しています。
ビッグスクーターと呼ばれる車種は、
(ホンダに限らず)どれもここのパーツが一つで成り立っているため
一定以上のスピードでカーブを曲がろうとするとハンドルがたわむような感覚を覚えます。
「スポーティーなビッグスクーター」を謳うのであればこの部分はどうにかして欲しかったところですが、
どこのメーカーもこの構造を20年以上踏襲しているところを見るに、
これはもう技術的な限界なのかもしれません。
というわけで長々とホンダが一時代を作ったビッグスクーター、FORZAのMF08型について解説してきました。
もうビッグスクーターブームも収束し、
このバイクの次世代機であるMF10についても今年の始めに生産中止となりました。
そのせいもあってこのバイクも捨て値のような値段でしか引き取ってもらえず、
まるで自分の10年間が否定されたような気分になりましたが、
まぁ市場っていうのはそういうもんです。
あのバイクが中古市場で次のオーナーに巡りあうとも思えませんし、
そう思うとお金出して引き取ってくれたバイク屋さんは多分本当は善意に溢れてるんだとは思います。
理解も出来るし、納得もできる、でも感情の部分ではやるせないですね。
金額というドライな数字を見せられると凹みます。
NM4-02さえ買わなければ多分この先もずっと乗り続けていたであろうバイクです。
多分この先、道端でこの型の車両とすれ違うたびに
心の底のほうがチクっと痛むんでしょうね。
ありがとう、そしてさようなら。