昭和初期の桑名町駅

 

北勢線が開通したのは大正3年(1914)4月18日で、その区間は大山田駅(昭和6年西桑名駅に改称)- 楚原駅であり、大山田駅 - 桑名町駅の開業はその翌年の大正4年(1915)8月5日でした。

 

 

大正9年の地図

 

北勢鐡道株式會社が大正3年(1916)5月に発行した 「線路沿線名勝案内記 (桑名図書館 歴史の蔵 デジタル化資料 PDF)」 に沿線の写真が多く載っていますが、自慢できるほどではない場所もあって大変面白いです。

 

路線図の未開通区間は破線が引かれています

 

時刻表・運賃表

 

上二つの資料も線路沿線名勝案内記からです。

 

戦時中、桑名は6回の空襲に見舞われ、4回目の昭和20年(1945)7月17日焼夷弾大空襲で市街地は焦土化し、同年7月19日から西桑名駅 - 桑名町の間の運行を停止しました。

 

 

国立公文書館の戦災概況図桑名

 

国土地理院 昭和21年3月27日 空撮

 

昭和20年(1945)9月24日に桑名町駅は、桑名京橋駅と名前を改めて運行を再開しました。

 

昭和30年代初頃の地図


昭和36年(1961)11月1日、国道1号線の混雑対策による平面交差解消のため西桑名駅 - 桑名京橋駅は廃止となりました。

 

国土地理院 昭和36年 空撮

 

上の写真は、西桑名駅 - 桑名京橋駅が廃止になる半年前の4月28日のものですので、国道1号線の踏切や桑名京橋駅が写っているはずです。

 

昭和20年の焼け跡の写真で、桑名京橋駅付近に東西の水路が通っていて、凸型の白い影が重なっています。

その位置を昭和36年の写真で確認すると、北側が広場で水路を遮る建物があります。

建物の南側に、くっついているの横長の構造物が駅ホームにも思えますが、Wikipediaによると駅構造は 「島式ホーム1面2線」 となっていますので違うようです。

 

これらを基に、桑名京橋駅を現在に地図に当てはめてみました。

 

配線は、あくまでイメージですので悪しからず。