「『チェロはね 中身が空洞だからきれいに響くんだよ 』
ならば私も きれいに響けるだろうか」
30年前のお客様から、詩集「深海魚」が届いた。
15歳の時から書き溜めていた詩を、終活(まだ若いけど)の一部として刊行された。
チェロを弾く彼女の実体験として書かれた作品を読んで、2つの詩(一つは歌詞)を思い出した。
槇原敬之の「Boyz &girls」
🎵 テニスの試合 得点がゼロのことをラブと呼ぶ
自分の事ばかり詰まっていたら
ラブと呼べない 🎵
吉野弘の「生命は」
「 生命は その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ 」
彼女のわずか15歳の頃の「自分が空洞だ」という感性と、
それがネガティブなことではないのかもしれない、という価値観が、僕の中にも色褪せずに残り続けていることに
共感と安堵の気持ちが沁みてきた。