(これは史実を基にしたフィクションです。史実とは異なります。御了承ください。)
上杉憲政陣営は既に戦勝ムードが漂いすぎていた。
上杉憲政の家臣で北条の密偵だった本間江州は上杉家の終りを感じた。
本間は貧しい家庭の出身、両親の生活を助けるために関東管領上杉憲政の下に仕えた。
そして忍びの者となれば、給金は弾むぞ、給金だけでなく、地位を上げると憲政からの命を受けた。
本間は小田原に忍びとして、足軽として北条に仕える振りをした。
しかし、本間は驚いた。
民が皆、幸せそうに笑顔だ。
しかも、侍が貧しい民に施したり、病や負傷した者には京から、市中から手に入れた薬で治療を助けている。
本間は自分の貧しく辛い生活をしている両親にはこういう領主がいれば、と、何故、関東管領上杉憲政は北条を敵にするのか、むしろ自分には北条に仕えたいという想いが強くなる。
本間は弓矢が得意だった。
本間は死を覚悟していた。
「やはり、俺は北条様を裏切れない…。上杉様より俺には北条様に従いたい…。だが、俺が北条様に寝返ったとしたなら、さぞかし父上と母上は悲しむことか…。だが、上杉様は傲り過ぎる。父上、母上…」
女「お侍様!うふっ!」
本間「?」
女「一緒に酒とかやりません?」
本間「やかましい!すっこんでろ!」
女は本間の腰と肩に手をやり、抱き締めるように本間の顔に接吻するかのように振舞い、女は耳打ちした。
女「今宵、氏康様は夜襲をかける。クスッ!」
本間「何?風魔か?お主は風魔だな!?」
女は不気味な笑顔を浮かべ、上杉陣営の喧騒に消えた…
本間はこれで北条の勝利を確信した。
俺は討死しても郷に残した両親を幸せにしたい。
ここは北条様を…
本間は上杉憲政陣営から出て、河越城を探ると偽りを申した。
幸い、上杉憲政陣営の武将や兵士たちは泥酔していた。
上杉憲政陣営の状況を急ぎ書状にして、北条氏康の陣営と河越城に矢文を送る。
河越城兵士「矢が放たれたぞ!?ん?矢文?風魔か?はっ?本間江州?」
河越城の矢文は河越城に籠城する綱成の目に届いた。
綱成「うむ、本間…。そちが上杉の忍びとは既に存じておったが…。そちは北条にそこまで…。うむ、上杉を見限り北条に味方するとは、助けてやる!本間…。生きよ!本間…。」
北条氏康の陣営にも本間の矢文が…
氏康「本間!大義じゃ!あいわかった!本間…。お主を必ずや召し抱える故、生きよ!死んではならぬ!」
しかし、戦とは喜びばかりではない。
戦に負けたら悲しみはもちろんだが、勝ち戦にも悲しみは必ずやある。
どんな戦でも…。
氏康は戦の悲しみをこの戦にて強く痛感する、父の氏綱の遺言を強く実体験するのはこの河越夜戦を経験したからである。
(つづく)
上杉憲政陣営は既に戦勝ムードが漂いすぎていた。
上杉憲政の家臣で北条の密偵だった本間江州は上杉家の終りを感じた。
本間は貧しい家庭の出身、両親の生活を助けるために関東管領上杉憲政の下に仕えた。
そして忍びの者となれば、給金は弾むぞ、給金だけでなく、地位を上げると憲政からの命を受けた。
本間は小田原に忍びとして、足軽として北条に仕える振りをした。
しかし、本間は驚いた。
民が皆、幸せそうに笑顔だ。
しかも、侍が貧しい民に施したり、病や負傷した者には京から、市中から手に入れた薬で治療を助けている。
本間は自分の貧しく辛い生活をしている両親にはこういう領主がいれば、と、何故、関東管領上杉憲政は北条を敵にするのか、むしろ自分には北条に仕えたいという想いが強くなる。
本間は弓矢が得意だった。
本間は死を覚悟していた。
「やはり、俺は北条様を裏切れない…。上杉様より俺には北条様に従いたい…。だが、俺が北条様に寝返ったとしたなら、さぞかし父上と母上は悲しむことか…。だが、上杉様は傲り過ぎる。父上、母上…」
女「お侍様!うふっ!」
本間「?」
女「一緒に酒とかやりません?」
本間「やかましい!すっこんでろ!」
女は本間の腰と肩に手をやり、抱き締めるように本間の顔に接吻するかのように振舞い、女は耳打ちした。
女「今宵、氏康様は夜襲をかける。クスッ!」
本間「何?風魔か?お主は風魔だな!?」
女は不気味な笑顔を浮かべ、上杉陣営の喧騒に消えた…
本間はこれで北条の勝利を確信した。
俺は討死しても郷に残した両親を幸せにしたい。
ここは北条様を…
本間は上杉憲政陣営から出て、河越城を探ると偽りを申した。
幸い、上杉憲政陣営の武将や兵士たちは泥酔していた。
上杉憲政陣営の状況を急ぎ書状にして、北条氏康の陣営と河越城に矢文を送る。
河越城兵士「矢が放たれたぞ!?ん?矢文?風魔か?はっ?本間江州?」
河越城の矢文は河越城に籠城する綱成の目に届いた。
綱成「うむ、本間…。そちが上杉の忍びとは既に存じておったが…。そちは北条にそこまで…。うむ、上杉を見限り北条に味方するとは、助けてやる!本間…。生きよ!本間…。」
北条氏康の陣営にも本間の矢文が…
氏康「本間!大義じゃ!あいわかった!本間…。お主を必ずや召し抱える故、生きよ!死んではならぬ!」
しかし、戦とは喜びばかりではない。
戦に負けたら悲しみはもちろんだが、勝ち戦にも悲しみは必ずやある。
どんな戦でも…。
氏康は戦の悲しみをこの戦にて強く痛感する、父の氏綱の遺言を強く実体験するのはこの河越夜戦を経験したからである。
(つづく)