(史実を基にしたフィクションです。史実とは異なる場合があります。御了承ください。)

上杉憲政の陣営にて。

上杉憲政「あははは!(笑)飲め、飲め!あははは!」

上杉憲政は家臣や兵士たちに酒をたくさん飲ませ、あたかも戦勝祝いを戦わずに行った。
酒を注ぐ女子が風魔党の忍びとは知らずに…

上杉憲政「よいのう、明日は北条潰しじゃ!河越城を攻め落とすだけでなく、氏康の首も討ち取ろうぞ!あははは!(笑)」

女「それは頼もしい限り!ささ、もっとお酒を…」

その時、一人毒されていない武将が駆け付けた。

「と、殿~!」

上杉憲政「何じゃ?やかましいのう…」

その武将は長野業正だった。

長野業正「殿!?何の騒ぎでございまするか?これは一体?」

女「長野様?一献如何ですか?」

長野「うるさい!」

長野業正は女の盃を振り払った。

長野「と、殿!?」

憲政「長野、短気を起こすでない、お前も飲め!戦勝祝いじゃ!」

長野「まだ戦もしてないのに戦勝祝いですか?これは如何かと、ちなみにこの酒とこの女子たちは?」

憲政「あははは!(笑)古河公方足利晴氏様からの陣中見舞いにて、証拠もある。」

長野「うっ?こ、これは北条の策略かも知れませんぞ!」

憲政「大丈夫じゃ、北条の策略なら酒に毒を盛ろうぞよ!味見させた故、毒はない。」

長野「いや、殿を含め皆、毒に冒されたとしか見えませぬ!と、いうか、北条を侮ってはなりませぬ!北条は手強い…」

憲政「長野!たわけい!(怒)ワシを侮っているのはそちの方じゃ!ワシらが負けるはずがないわ!(怒)大体、北条と言うな!(怒)奴等は鎌倉幕府の執権北条を勝手に名乗り、相模や武蔵を盗む盗賊ぞ!」

長野「し、しかし、殿!」

憲政「喧しい!長野!さっさと失せろ!」

長野「ははっ!わかりました。しかし、調べさせて頂きます。真に足利公方様からの贈り物か否か…」

長野業正は去った。

憲政「勝手にせい!」

禁断の酒盛りといざ知らず…

血の色をした不気味な月が天に昇ったのを誰も知らない上杉憲政陣営だった。

(つづく)