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最強オヤジ伝説

私の父の伝記と私自身の半生の記録です

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市街地での早めのブレーキングにも慣れ、いつもの料金所から

高速道路に進入した私は、道が空いていたため過積載を忘れ、調子よくスピードを出していた・・・



トラックにたくさん積めば、降ろすのにも時間がかかる・・・

到着時間の遅滞は、運転手の信頼はもとより会社にも迷惑がかかる・・・




私は自然と、アクセルを踏む足に力がこもっていった・・・




私が利用していた阪神高速道路は、今では当たり前であるが

その当時は渋滞表示などはなかった・・・



大阪市内を一周する環状線までの道なりは、結構カーブなどがあり前方が見えにくい・・・



それだけにカーブの先の状態を見越しての運転になるわけだが

この時だけはいつもと違った・・・



2トン車に3トン半以上積んでいるのだ!


トラックの車軸や足回りにもかなり負担がかかっている・・・



カーブを曲がるたびに、トラックの荷台から


ギッー!ギッー!ギッーーー!


という悲鳴にも聞こえる音が不気味にも響くのだった・・・!







あと少しで環状線だな・・・



私は最終コーナーに差し掛かった・・・



追い越し車線からコーナーに進入すると




なな、なんと!前方が渋滞しているではないか!!




スピードメーターは、ゆうに80kmを越えていた・・・!



私はとっさに、ブレーキを思いっきり踏んだ!!



キッーーーーーーーー!!!!



凄まじいブレーキ音が、辺りに響き、タイヤは白煙を噴き、蛇行しかけた!!



私はポンピングブレーキを駆使しながら停止を試みるが、過積載のトラックは

そう簡単には止まらない! 止まるはずがない!!



前方の車は渋滞のため、完全に止まっている!



だめだ!! 間に合わない!!



このまま突っ込めば大惨事だ!! あぶないっ!!























その時だった!!



前方の車の停止状況をみると、私が走っている右側車線よりも左側車線のほうが

車にして、約4台分ぐらい前方に止まり、空いていたのだ!



『もうそれしかない!!』



私はとっさにハンドルを左に切り、左側車線に滑りこむと

素早くポンピングブレーキをし、ギリギリのところで、ようやくトラックは止まってくれた・・・



間一髪だった!



前方の車との距離はわずか50cmほどだった・・・



私の背中一面は、冷や汗でびっしょりになっていた・・・!






配達が終わり会社に戻り、過積載でブレーキの利きが悪いことを報告すると

『お前がスピード出し過ぎなんや!』と鬼と異名される、取締役部長に一喝されたが

会社も便数を増やし、出来うる限り過積載をしないよう手配するようになっていった・・・




運転手仲間は若い私を『鬼に物を言うなんざ、恐いもの知らずだな』と笑いながら

『お前が言ってくれたお陰で楽になったよ!』と言ってくれるのだった・・・



それからの私も、以前にも増して安全運転を心がけるようになった・・・



ここでも父の教訓が、私の心には根付いていた・・・!




一度決めたら最後までやり通す









そんな私を、いつも励まし見守ってくれる人がいた・・・

それは社長だった・・・