
商品に値札が無いことがわかると、私はムチャクチャ焦りだした・・・・
『う~ん、、、、ヤカン、、、、いくらかな???』
お客さんはいくらなのか、しきりに聞いてくる・・・・
もうこれは、私の価値観で判断するしかない・・・・・・・
『お兄ちゃん!これいくらなの!!』
お客さんは少し怒気を含んで更に聞いてくる・・・!
ええーいっ!もうナンボでもええわ!
私は半ば投げやりな気持ちで言い放った・・・・!
『500円!』
『えっ!安いなぁ~!ほな、鍋も買うわ!いくら??』
お客さんは更に聞いてきた!
『う~ん、、、困った、、ヤカンと鍋どちらが安いんやろ。。。。。』
私はもう考えてもわかる訳が無いと判断し、直感で値付けすることにした!
『おばちゃん!400円や!』
『ホンマかいな!エライ安いナァー!ほならまな板も買うわ!』
『300円や!』
『そうか!お兄ちゃん、おおきに!』
こんなやり取りをしているうちに、雑貨屋が大安売りしているとの噂が飛びまくり
次第にスーパー中のお客さんが、我先にと押し寄せてきたのだ!!
二人、三人、五人、十人と次第に膨れ上がり、店内は寿司詰め状態になっていった・・・!
あちらこちらから、『兄ちゃん!これなんぼ!』との声が上がり
段々私自身も人混みに揉まれ、もう適当な根付になっていったのだ・・・・!
『これなんぼ!』
『200円!』
『これは!』
『800円!』
『これは!』
『700円!』
たかが10坪足らずの雑貨屋に、数100人が押し寄せてきたのだ!!
大阪のおばちゃんパワーは強烈だった!
値段を聞いてくるおばちゃんが津波のように押し寄せてくる!!
私は防戦をするようにさばいていくのだが、所詮一人、、、、
段々収拾がつかなくなってきた・・・・
見る見る間に商品が無くなり、ザルの中のジャリ銭が山盛りになっていく・・・・
ふと見ると、前述した山地さんの不動産会社の事務員さんが、人波の向こうの方で
この騒動にビックリして、心配そうにこちらを見ていた・・・!
私はその事務員さんに向けて、ありったけの声を上げた!
『事務員さーん!オヤジを呼んでくださーい!お願いしまーす!』
私は段々疲れていた・・・
それに人が多すぎて目が届かない・・・・
私の声が届いたのかその事務員さんは、急いで会社に戻っていった・・・
すると、近くにいたのかオトンは、すぐさま駆けつけて来た!
そして目の前の惨状を目にした瞬間、父は信じられない一言を言い放ったのだ!!