
私は、友達が出来たからと言って、今日は帰らないと言った・・・
兄ちゃんは『そうかぁ・・わかった!気をつけろよ!』と言って電話を切った・・・
公園に佇み、ふと、ポケットの所持金を見ると、ちょうど3万円だった・・・
母からもらった同じ金額だった・・・
私は悩んだ・・・
このまま、どうしようか・・・まだ仕事を探すか・・・
それとも大阪に帰って、もう一度仕切り直すか・・・・
母からもらった3万円を握り締めながら、悩みに悩んだ・・・・・
そして私は決断した!!
『帰ろう! 帰ってもう一度仕切り直そう!』
私は自分の考えの甘さを痛感し、一から出直しを決意した!
そう思った瞬間に、私はヒデを思い出した・・・!
『そうだ・・・あれから一度も電話をしてない・・・帰るといったらあいつどう思うだろうか・・・』
受話器を持つ手が緊張した・・・
『ルルルルルー、ガチャ、はい、もしもし・・・・』
相変わらず無愛想な声、ヒデだった・・・!
『おぉ、俺や・・・』
『おぉ!まなぶかぁ!そっちはどないやねん♪』
『うん、あのなぁ・・・・・・俺・・帰ろう思うねん・・・・』
『なんかあったんか・・・・』
『いや・・・』
『・・・・・それやったら早よ帰ってこい!うちのオカンも寂しがっとる!』
ヒデはそれ以上何も聞かなかった・・・・
私はその日は24時間営業のゲームセンターで夜を明かし
次の日、兄ちゃんに事情を説明し、帰阪を言うと兄ちゃんは
『またいつでもきんさいや!まっちょーわい!』と愛媛弁で
こころよく、送り出してくれた・・・
私はリベンジを固く誓いながら、東京を後にした・・・!
帰ると、ヒデとヒデのお母さんは、暖かく迎え入れてくれた・・・
ヒデのお母さんは『良い経験をしたと思う、この経験を生かして、これからも頑張るんやで!』
と、激励をしてくれた・・・!
ところで私は、自宅には、帰るとは一切連絡をしていなかった・・・
当然のことながら、めちゃめちゃ帰りずらかったのだ・・・・
父の『あほか!』との顔が浮かぶ。。。。。
しかし、帰るところがないので、とぼとぼ家に帰ると、母が店番をしていた・・・
『あらっ!?どうしたの?』
『オカン、ごめん・・・俺もう一度仕切り直すわ。。。。』と言うと母は
『部屋ないわよぉ~!』
『えっ!?』
急いで2階に上がり、私が使っていた部屋を見て見ると『キティーちゃん』一色になっていた・・・
『ぎょっ!!最悪やぁ~!』
母が『あんたの部屋はここ!』と指差した場所は
以前妹が使っていた広さ4畳の部屋だが、私の荷物が入っていて
すでに物置状態になっていたのだ・・・・
私は『まぁ仕方ないなぁ。。。。』と部屋の整理をしていると
父が帰ってきた・・・
父は私の顔を見ると、『にゃははは!だから部屋ない言うたやろ!』と
ゲラゲラ笑いながら店に戻っていくのだった・・・!
私はまたまたムカつきながら『くやしい~!絶対早よ家出て行こう!』
と、固く決意するとともに、いずれ来るであろう
東京決戦に向けて新たな闘志を燃やすのだった・・・・!
今、思い返しても笑い話にもならない、若き日の出来事だったが
しかし私はどこかに、あの若き日に味わった、東京での日々を忘れなかった・・・
大人になり、あれから二十数年たった今
私が経営する会社の業績が好調で、東京に支店を作るべく
着々と準備が進んでいることを銘記したい。