●以下のテレビ朝日の記事のように、
佐賀県は、時間短縮のメリットが無いとして、
西九州新幹線に反対しています。

フル規格の新幹線だと、
在来線特急より、
特急料金が高くなります。

佐賀県の言っているように、
フル規格の新幹線が走っても、
わずか15分の短縮にしかなりません。

それで、在来線特急より特急料金が高くなれば、
在来線特急より時間短縮がわずかで、
特急料金だけが高くなる。

これでは、新幹線の意味がありません。

◆JR九州は、
長崎駅-武雄温泉駅間を先に
フル規格の新幹線を建設して
なし崩し的に佐賀県に
フル規格の新幹線を
認めさせようとするのでしょう。
ずるいやり方です。

この方法は、
道路建設などで、よくやる方法です。

道路建設に反対している家の直前まで
道路を建設して
道路建設に反対している家に、
仕方なしに立ち退かせるやり方です。

◆西九州新幹線に
佐賀県が反対しているなら、
なぜ、
山形新幹線や
秋田新幹線のように、
「ミニ新幹線」で、
建設しなかったのか。

◆たとえば、山形新幹線は、
奥羽本線の福島駅-新庄駅間は、
レール幅を、
1067mmから1435mmに変えただけで、
在来線の奥羽本線と何ら変わりありません。

つまり、レール幅が1435mmの
在来線という見方です。

ですから、
福島駅-新庄駅間の
山形新幹線は、
最高速度は、
在来線特急と同じ時速130キロで、

特急料金は、
福島駅-新庄駅間は、
在来線特急と同じです。
(東北新幹線の特急料金より安い)

山形新幹線の福島駅-新庄駅間
148.6km

秋田新幹線の盛岡駅-秋田駅間
127.3km

対して、
長崎本線の
新鳥栖駅-長崎駅間は、
122.4kmです。

122.4kmは、
ミニ新幹線の距離です。

◆長崎駅-新鳥栖駅間の122.4kmを
1067mmから1435mmに改軌するだけにして
1435mmの在来線の長崎本線にして
長崎駅-新鳥栖駅間を
在来線を走る新幹線として
時速130キロで走り、
新鳥栖駅からは、
フル規格の新幹線として、
新大阪駅まで走ります。

これなら、
長崎本線を走る新幹線だから、
在来線特急と同じで、
所要時間も、
佐賀県の言うように、
在来線特急と同じです。
しかも、
特急料金は、
長崎駅-新鳥栖駅間は、
在来線特急の特急料金と同じです。

これなら、
佐賀県も納得がいくのではないでしょうか。

◆ただし、
長崎本線は、
鳥栖駅から
博多駅方面へ鹿児島本線への
普通列車の直通列車が
多数あります。

長崎本線が、1435mmに改軌したなら、
長崎本線の普通列車も
車輪幅1435mmの車両で
走りますから、
新鳥栖駅-鳥栖駅間を
1435mmにしても
長崎本線と鹿児島本線が
分断されてしまいます。

または、
鳥栖駅-博多駅間を
1067mmと1435mmを一緒にした
3線軌道にする、
というのも、ひとつの方法です。

◆長崎駅-新鳥栖駅間を
フル規格の新幹線よりも、
ミニ新幹線方式の方が、
メリットが大きいと思いますが。


●【独自】“日本一短い”西九州新幹線 23日に開業…困惑の声も「佐賀にメリットない」

9/21(水) 13:15配信

All Nippon NewsNetwork(ANN)
23日、新たな新幹線・西九州新幹線が開業します。車両は、白と赤を基調にしたデザインとなっています。

“一番列車”の切符が10秒で売り切れるなど期待が高まる一方で、困惑の声も上がっています。

■“三刀流”人材でコンパクト運営

 23日、いよいよデビューする、西九州新幹線の「かもめ」。

佐賀県の武雄温泉駅と長崎県の長崎駅をつなぐ、全長66キロ。途中駅は3駅しかない“日本一短い新幹線”です。

 車両は、東海道新幹線でも使われている最新の「N700S」。

山口県の工場で製造され、船で長崎へ運ばれました。

 車体には、オリジナルの赤いラインがあしらわれ、毛筆体の「かもめ」の文字もあります。

 東海道新幹線では、普通車の座席は「横5列」となっていますが、西九州新幹線の普通指定席は「横4列」とグリーン車のようにゆったりしています。
座席はヘッドリストまでフワフワで、とても座り心地がいいです。

 JR九州は、短い区間のため、運転士が車掌や車両点検の資格も持つ“三刀流”の人材で、コンパクトな運営を行います。

 試乗会の車両を運転・松山学運転士:「新しい列車で、長崎を楽しんでもらいたい」

 一番列車の指定席は、開業1カ月前の先月23日、販売開始直後に鉄道ファンが殺到し、わずか10秒で売り切れになりました。

■困惑の声「佐賀にメリットない」

 多くの人が西九州新幹線の開業を待ちわびる一方、いまだ解決策を見出せていない問題もあります。
それは、「途中で寸断」です。

 武雄温泉駅と九州新幹線の新鳥栖駅の間をつなぐ、佐賀県のルート。
ここがつながり、長崎から博多まで新幹線で結ばれれば、関西方面へ直通することも可能になります。しかし…。

 佐賀県地域交流部・山下宗人部長:「佐賀県は、新幹線整備による時間短縮効果がほとんどない。あまりない、メリットが。ここだけになっちゃったから、つなごうよという話になると、ちょっと待って下さい。
というのが、佐賀県の立場」

 佐賀県の担当者は取材に対し、お手製のボードを立てて、力説してくれました。

■「新幹線不要」立場もギリギリ合意

 問題となっているのは、西九州新幹線の武雄温泉駅と九州新幹線の新鳥栖駅をつなぐルート。

この佐賀県の区間には、新幹線がつながっておらず、現在、在来線が走っています。

 山下部長:「最初に申し上げておきたいが、佐賀県の鉄道環境は悪くない」

 元々、博多から佐賀を通り、長崎まで通す計画があった新幹線。

しかし、そもそも佐賀県は、「新幹線は不要」という立場でした。

 県庁所在地の佐賀から博多へは、在来線の特急を使えば35分ほど。
ところが、新幹線を作っても短縮されるのは、およそ15分と、多額の建設費を負担するメリットはあまりないといいます。さらに…。

 山下部長:「西九州新幹線の開業に伴って、特急が(一日に)上下45本あったのが、14本まで減った。

(新幹線に)あまりメリットがない一方で、(既存路線の)利便性が低下するというデメリットも抱えた。

そういう難しい立場だったが、長崎県のことも考えて、在来線(の線路)を利用するのであれば、ということでギリギリの判断で合意した」

■“両用車両”開発断念「約束が違う」

 2007年、当初、佐賀県が新幹線を通すことに合意した理由は、国が主導して、線路の幅が異なる新幹線と在来線どちらも走行できる「フリーゲージトレイン」という車両を開発すると約束したことでした。

 これならば既存の線路が活用でき、負担も軽いはずでした。
ところが、国は試験走行を重ねるうちに、車両の耐久性に問題があるなどとして、フリーゲージトレインの開発を断念したのです。

 その後、国や長崎県が、新幹線専用の線路を新設する「フル規格」での新幹線整備を求めてきたといいます。
そのため、佐賀県は「約束が違う」と主張しています。

 山下部長:「多額の建設費負担をして、在来線の利便性を低下させても、それを超える大きなメリットがあれば、手を挙げるだろうが、まだそこに至っていない」

 国と佐賀県は協議を続けていますが、結論が出ないまま、西九州新幹線は、23日の開業を迎えることになります。

(「グッド!モーニング」2022年9月21日放送分より)
テレビ朝日