前にも、このブログに
同じことを載せたが、
もう一度、載せます。

BCG接種の行っている国が、
新型コロナウイルスの
死亡率の低さが、

いよいよ、
確定的になってきました。


●BCG有無でコロナ死亡率
「1800倍差」の衝撃
日本や台湾で死者少ない
「非常に強い相関」

5月14日
 
 結核の予防接種「BCG」の接種の
有無で、
新型コロナの死亡率に
大きな差が見られた。

中でも、
日本から広がった「日本株」という
株を接種している国の死亡率が
極めて低い。

ウイルスと免疫の最前線に、
AERA 2020年5月18日号で迫った。
 
 *  *  *
 
 「現段階ではあくまで相関関係が
見られるとしか言えませんが、
だとしても非常に強い相関がある
ということになります」
 
 大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授の
宮坂昌之さんがそう指摘するのは、

米ニューヨーク工科大学の
研究者らが3月末、
「BCGワクチンが新型コロナに
対する防御を与えているの
かもしれない」と
結論づけた論文についてだ。
 
 各国の新型コロナの感染者数や
死者数の人口比と、

BCGワクチンの接種状況を
調べたところ、

感染率や死亡率は、
接種していない
イタリアやベルギー、
米国などで

接種している国々よりも
統計学的に有意に
高かったとしている。
 
 新型コロナの感染や致死率と
BCGワクチン接種の関連を継続的
にフォローしている
宮坂さんは言う。
 
 「人口100万人あたりの
死者数でみれば、
よりクリアに相関が浮かびます」
 
 人口100万人あたりの死者数は、
集団接種を行ったことがない米国が227人、
イタリアが490人。

過去に広く接種していたものの
現在はしていない
フランスは396人、
スペインは553人。

一方、BCGを広く接種している
中国は3.2人、
韓国が5.0人、
日本は4.4人。

台湾に至っては0.3人
にとどまる
(いずれも5月7日現在)。

台湾とスペインでは
1800倍超の差がある計算だ。
 
 BCGワクチンの接種の有無に
よって
死亡率に
ケタ違いの差が出ており、

宮坂さんによると、
この傾向は検査数が増えるにつれ、
より明らかになってきたという。

偶然の一致では
片付けられない──。

そう思わせるデータだ。
 
 BCGは、
結核菌を弱毒化させた
生ワクチンだ。

細い9本の針痕が腕に残る
「はんこ注射」といえば、
思い出す人も多いだろう。

日本では、
1943年にワクチンの
結核予防効果が確認されて以降、
接種が始まり、

48年に
結核予防接種が法制化された。

現在は全ての乳幼児が接種対象だ。
 
 ただ、集団接種を行っている国の中でも、
100万人あたりの感染者数や
死者数には開きがある。

その背景として
宮坂さんが着目するのは、
BCGワクチンの「株」の種類だ。
 
 1921年に仏パスツール研究所で
開発されたBCGは、
結核の予防効果が確認された後、
生きた菌が各国
に「株分け」された経緯がある。
 
 「最も初期に分けられたのが
日本株とソ連株です。

デンマーク株は
それから10年ぐらいたってから、
パスツール研究所から
デンマークに供与されました」
(宮坂さん)
 
 日本株は台湾やイラクなど、
ソ連株は中国など、

デンマーク株は
欧州各国などに
それぞれ分配されたという。

株による死亡率の違いは
なぜ生じるのか。

カギとなっている可能性が
あるのが、

ワクチンに含まれる「生菌数」と、
「突然変異」だ。
 
 生菌とは生きたままワクチンに
含まれている菌のことで、

日本株とソ連株は
生菌数が他の株より多いという。

突然変異について
宮坂さんはこう説明する。
 
 「人間が年をとると
がんになりやすくなるのは、
細胞が分裂するにつれて
遺伝子に突然変異が
必ず一定の割合で起きるからです。

細菌も同様で、培養期間が
増えれば増えるほど
突然変異が起きやすくなります」
 
 日本株やソ連株と
ほかの株で結核に対する
予防効果は変わらないものの、
遺伝子変異によって
それぞれの株に含まれる
細胞膜の成分に
差異が生じているという。
 
 「もしBCGが
新型コロナに効いている
のだとしたら、
こうした性状の違いが
寄与していることが推察されます」
 
(編集部・渡辺豪)
 
 ※AERA 
2020年5月18日号より抜粋
 
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