死刑は、人殺しです。
殺人犯が人を殺すのも
死刑も、
同じ、人殺しです。
法務大臣は、殺人罪に問われない人殺しを、書類にサインするだけで行うのです。
●社会
●市民参加、極刑の重み
開始から6年半で初の死刑執行
12月18日 16:12
市民の参加で言い渡された「究極の刑」が18日、初めて執行された。
くじで偶然に選ばれた裁判員が悩み抜いて出した重い結論。
制度開始から6年半を迎え、執行という「現実」に結びついた。
「裁判員の方には、大変重い決断をいただいたと思っている。
慎重に審理を重ねた上での死刑判決が言い渡されたので、
私もそれを重く受け止めて慎重な検討を重ね、執行命令を出した」。
執行後に記者会見した岩城光英法相は、
市民裁判員が死刑判決に関わったことについて問われ、そう答えた。
「人の生命を絶つ重大な刑罰ですから、慎重かつ厳正な態度で臨む必要がある」。
法相は「慎重」という言葉を繰り返し使いながら、
「裁判所の判断を尊重して、職責を果たした」と執行に至った理由について述べた。
最高裁によると、2009年5月の制度開始から今月17日までに有罪判決を受けた被告のうち、
死刑は26人。
18日に執行された津田寿美年死刑囚を除いて6人の死刑判決が確定している。
ある法務省幹部は
「判決から時間が経過すれば、いずれは執行される。
裁判員裁判による死刑の判決が積み重ねられてきたことも背景にある」と話す。
市民を死刑の判断に関与させることについては、
以前から
「精神的負担が大きい」
「思想・信条の自由に反する」
などとして慎重な意見があった。
判決後、裁判員の経験者が重圧や負担が大きかったことを指摘することも多い。
岩城法相は18日の会見で「今後の検討だ」と述べるにとどめた。
制度の実施状況を踏まえて、裁判員制度の見直しを検討した法務省の会議でも、
死刑が求刑されるような重大事件を対象から外すべきかが論点の一つとなった。
結局、期間が著しく長い事件は対象から外すことになったが、
「重大事件を裁判員が裁く意義は大きい」として、死刑そのものは除外されなかった。
その一方、市民の重い決断を裁判官が覆すケースも出ている。
東京で起きた強盗殺人事件と千葉県松戸市で起きた女子大生強盗殺人事件の裁判員裁判は、
いずれも死刑判決だった。
しかし、二審の東京高裁がいずれも破棄し、無期懲役とした。
最高裁は今年2月、ともに高裁の判断を支持した。
(金子元希、河原田慎一)
■状況分からないままの執行に恐怖
〈裁判員経験者の交流団体のまとめ役で、自らも経験者の田口真義さん(39)の話〉
実際に死刑判決にかかわった裁判員経験者は、
死刑執行の実情や死刑囚の状況がわからないまま
執行されていくことに恐怖を感じている。
だからこそ昨年、経験者 20人で法相に対し、
死刑についての情報を公開し、
国民的議論を促すことと、
それまでの刑の執行停止を要請した。
市民の声を受けて、何かが変わることを期待していただけに、
今回の執行は裏切られた思いで
残念でならない。
裁判員経験者は死刑を意識したことをきっかけに
死刑のあり方に目を向けようとしている。
国は情報公開を徹底した上で、
国民に死刑制度を続けるかどうかを問うべきではないか。
■朝日新聞社
殺人犯が人を殺すのも
死刑も、
同じ、人殺しです。
法務大臣は、殺人罪に問われない人殺しを、書類にサインするだけで行うのです。
●社会
●市民参加、極刑の重み
開始から6年半で初の死刑執行
12月18日 16:12
市民の参加で言い渡された「究極の刑」が18日、初めて執行された。
くじで偶然に選ばれた裁判員が悩み抜いて出した重い結論。
制度開始から6年半を迎え、執行という「現実」に結びついた。
「裁判員の方には、大変重い決断をいただいたと思っている。
慎重に審理を重ねた上での死刑判決が言い渡されたので、
私もそれを重く受け止めて慎重な検討を重ね、執行命令を出した」。
執行後に記者会見した岩城光英法相は、
市民裁判員が死刑判決に関わったことについて問われ、そう答えた。
「人の生命を絶つ重大な刑罰ですから、慎重かつ厳正な態度で臨む必要がある」。
法相は「慎重」という言葉を繰り返し使いながら、
「裁判所の判断を尊重して、職責を果たした」と執行に至った理由について述べた。
最高裁によると、2009年5月の制度開始から今月17日までに有罪判決を受けた被告のうち、
死刑は26人。
18日に執行された津田寿美年死刑囚を除いて6人の死刑判決が確定している。
ある法務省幹部は
「判決から時間が経過すれば、いずれは執行される。
裁判員裁判による死刑の判決が積み重ねられてきたことも背景にある」と話す。
市民を死刑の判断に関与させることについては、
以前から
「精神的負担が大きい」
「思想・信条の自由に反する」
などとして慎重な意見があった。
判決後、裁判員の経験者が重圧や負担が大きかったことを指摘することも多い。
岩城法相は18日の会見で「今後の検討だ」と述べるにとどめた。
制度の実施状況を踏まえて、裁判員制度の見直しを検討した法務省の会議でも、
死刑が求刑されるような重大事件を対象から外すべきかが論点の一つとなった。
結局、期間が著しく長い事件は対象から外すことになったが、
「重大事件を裁判員が裁く意義は大きい」として、死刑そのものは除外されなかった。
その一方、市民の重い決断を裁判官が覆すケースも出ている。
東京で起きた強盗殺人事件と千葉県松戸市で起きた女子大生強盗殺人事件の裁判員裁判は、
いずれも死刑判決だった。
しかし、二審の東京高裁がいずれも破棄し、無期懲役とした。
最高裁は今年2月、ともに高裁の判断を支持した。
(金子元希、河原田慎一)
■状況分からないままの執行に恐怖
〈裁判員経験者の交流団体のまとめ役で、自らも経験者の田口真義さん(39)の話〉
実際に死刑判決にかかわった裁判員経験者は、
死刑執行の実情や死刑囚の状況がわからないまま
執行されていくことに恐怖を感じている。
だからこそ昨年、経験者 20人で法相に対し、
死刑についての情報を公開し、
国民的議論を促すことと、
それまでの刑の執行停止を要請した。
市民の声を受けて、何かが変わることを期待していただけに、
今回の執行は裏切られた思いで
残念でならない。
裁判員経験者は死刑を意識したことをきっかけに
死刑のあり方に目を向けようとしている。
国は情報公開を徹底した上で、
国民に死刑制度を続けるかどうかを問うべきではないか。
■朝日新聞社